幹細胞(培養)上清液について
幹細胞上清液とは
培養された幹細胞が成長している環境中に出す (分泌する?) 液体のことを指します。
幹細胞は成長する際に、様々な成長因子や細胞因子、他の生物活性分子を周囲に放出します。これらの分子が幹細胞上清液を形成します。
これらの生物活性分子は細胞の成長、増殖、分化、再生、抗炎症などの過程に調節作用を持つ可能性があります。
そのため、幹細胞上清液は組織修復や再生に対する潜在的な効果があると考えられ、幹細胞研究や再生医学で広く利用されています。
具体的には、現在の高級化粧品にはほとんど含まれています。(「幹細胞」と書かれている場合がありますが、幹細胞ではなく「幹細胞上清液」です)
ですので、知らぬ間に幹細胞上清液を使用している場合は女性の場合、特に多いと思います。
細胞は含まれていないので、他人から作られた幹細胞上清液でも使用できます。
医学的にもう少し詳しくお話しします。
幹細胞培養上清液について医学的に解説
https://gclinic.jp/contents/column/blog_vol10_20220204_01.html を参考にまとめております。こちらの成分と同じ内容の品を使用しています。
重要な事なので初めに書きますが、幹細胞上清液は作り方でいろいろなパターンができるようです(現在は出来上がりをコントロールできない)そのため、それぞれ、もっと言うと同じように作っても出来上がりがかなりばらつきがあるようです。
さらに、経験的に注意が必要と感じた事があります。
ケロイド体質の方に使用する場合は注意が必要と考える経験をしました。 幹細胞上清液によっては全く問題がない場合もあると思います。
・・・が、とても効果がある(何に効果があるとは書けないので推測してください)幹細胞上清液は注意が必要だと思います。
皮膚に幹細胞上清液を塗る場合にです。 もちろん傷がないときは問題ないかもです。 ただかきむしったり、いろいろな事がおきた時にはケロイド体質の方には相当に注意深く観察をして(これは医師側です)継続か、中止かの判断を適切にする必要があるように思いました。
幹細胞培養上清液とは、体内に存在する幹細胞を培養した時の上澄み液のことを指します。 (出汁 みたいな感じでしょうか?)
「幹細胞培養上清液(かんさいぼう ばいよう じょうせいえき)」と読みます
幹細胞について
幹細胞とは、脂肪や骨、筋肉、血管などに生まれ変わる力(分化能力)を持っている万能細胞 とでも言える細胞です。
幹細胞を増殖をする時に色々なタンパク質(「サイトカイン」や「成長因子」など)を放出します。 これらの蛋白質は幹細胞を育てる培養液の中にたくさん含まれています。 有名な幹細胞としてiPS 細胞があります(ノーベル賞を取った山中伸弥医師が作成)
成長因子とは?
損傷を受けた組織や細胞の機能回復に重要な役割を果たしているのが成長因子です。衰えた細胞の回復を中心に美容関連でいろいろな効果が期待されています。
成長因子は、細胞活性に必要なタンパク質です。炎症を抑える作用、活性酸素を除去する作用、血管の再生作用などが期待できます。
EGF(上皮成長因子)
上皮細胞の成長・再生・修復を行い新しい皮膚細胞をつくる場合に働く因子です。新陳代謝を促進したりすることで、シミ・くすみ・しわの改善が期待されます。
VEGF(血管内皮細胞成長因子)
新しい血管を形成する役割が重要です。血行を良くし毛根へ栄養を運ぶことで発毛を促す事がわかっています。新しい細胞の産生でしわの防止·改善が期待されます。
aFGF(繊維芽細胞成長因子)
真皮の線維芽細胞増殖を促す因子です。抗酸化酵素を増やします。新血管形成や傷回復の働きがあり、コラーゲンとエラスチンの合成を行ない肌にハリを与えます。
PDGF(血小板由来成長因子)
損傷のある皮膚細胞の再生を促し、コラーゲンの合成を促す事でしわ改善が期待されます。
TGF-α・TGF-β(トランスフォーミング成長因子)
結合組織(コラーゲンやエラスチンなど)の合成·増殖に必要です。細胞老化を防ぐ働きもあります。肌の弾力性増加、抗炎症、早期の傷の回復などの効果も期待されます。
IGF-1(インスリン様成長因子)
損傷した細胞の再生をサポートする因子です。新しい皮膚の再生、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成によるしわ改善やハリ・弾力性増強が期待されます。脂肪を燃焼させたり、毛根を刺激し毛髪を強くする事も期待されます。
HGF-1(肝細胞増殖因子)
一番強力で重要な因子です。新しい血管、組織の再生に関わります。休止期の毛包を成長期へと誘導し、発毛·育毛に関わります。
いろいろ書いていますが・・・良い事が多いです。
優秀な上清液を制作した医師が言われてましたが、重要なのはHGF(肝細胞増殖因子)が極めて重要であると。肝細胞増殖となっていますが、「肝」だけではないのだそうです。 何もないところから毛細血管を作り出し、細胞が増殖していく・・・・・・新生の因子となるのだそうです。
【注意】上記に記載したケロイド体質の方は上清液の内容によっては使用しない方がよい可能性があります。
長期に使用する場合にはいろいろと考えて使用した方がよい事もあり得ます。
幹細胞上清液に関しては 正式に認可されて「医薬品」ではありません。 そのため 有効性に関する表現は基本的に不可です。
他サイトではいろいろ記載されていますが、○○に効果がある・・・・・・とは公然とは言えません。ですが、適正な使用により人類が恩恵を受けることができる物質であることは間違いないと思います。
クリニックにご来院いたいた際には詳しくお話しいたします。わからない事、疑問点をはっきりさせていただけます。要領よくお聞きください。
幹細胞培養上清液のデメリット~ケロイド体質の方は注意が必要かも~
上清液(エクソソーム)を塗り薬として 使用する場合には問題は普通はありません。 極めてマレに肌に合わない方がおられるかもしれない・・・という程度です。
目的によっては ケロイド体質の方は注意して使用すべきと考えます。(経験的に) ケロイド体質の方は自分からも ケロイド体質の事を使用する医師に申告していた方が良いでしょう。
上清液(エクソソーム)を点滴・注射で使用する場合の注意点は以下です。 当院では現在は上清液(エクソソーム材)を点滴に使用は控えたいと考えております。 製品の安全性が高くなった時期がきたら検討します。
低血糖や耳鳴りのおそれがある 点滴・注射の場合には注意が必要です。 (頻度は相当に少ないです,ダイエットされてさらに点滴の前も食事を抜いている・・という状態はさけてください)
国領きとうクリニックでは現在は上清液の点滴はメニューに入れていません。 今後法ルールが変更になりより安全になった場合は検討したいと考えております。
ーーー塗り薬とした使用する場合には 大きなご心配は不要ですーーー
頻度はかなり低いのですが・・・化粧品と同じでお肌に合わない場合がある・・・ということがあります。
幹細胞培養上清液の中には血糖値をコンロトールする「インスリン」 というホルモンが含まれている場合があるようです。
(インスリンはすべての上清液に入っているわけではありません) 「上清液」の種類により違いがあります。
点滴中~点滴後に低血糖の症状(めまい、冷や汗など)が生じる可能性がありえます。
空腹時の点滴はさけていただき 食事をある程度摂って頂いた方がよいようです。
今まで複数回(反復して)「上清液」を使用してこられた方にはアレルギー反応などが見られる可能性があります。
頻度は低いですが、予測できないような副作用が起こる可能性は否定できません。
血管がかなり細い、点滴がもれた時に再挿入が極めて難しい、その他、医師が幹細胞培養上清液(エクソソーム)の点滴は安全のためにしない方が良い・・・と判断された場合はご希望があっても点滴等の施術を中止させていただく事がありますので ご了承ください。