https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34708909

上記文献を和訳の上、自分のコメントも追加してまとめています。

COVID-19(コロナ感染症)はこれまで休止期脱毛症(TE)と関連付けられてきました。

この論文はコロナ感染症患者における休止期脱毛の頻度と、休止期脱毛の発症とコロナ感染症の重症度との相関関係を確認し休止期脱毛の発症に「精神的ストレス」や「薬剤」が関係しているかの研究です。 

過去3か月間にコロナ感染症歴のある患者204名が評価されました。休止期脱毛の診断は、脱毛歴、毛髪引っ張り試験、びまん性または両側頭葉の薄毛等で調べました。

コロナ感染症以外の原因がなく、コロナ感染症後に脱毛が始まった患者は、「コロナ感染症後休止期脱毛症」とみなされました。 204名中 全体的な休止期脱毛 は36.7%、男性型脱毛症 (AGA) は 41.7% で認められました。

コロナ感染症後休止期脱毛症 は 27.9% の症例で認められ、平均コロナ感染症後(PCR) 陽性から
平均 約53 (約30~90) 日後に発症していました。●一般的には2~3か月後という判断です。

コロナ感染症後休止期脱毛症・ 患者の割合は、入院患者と外来患者を比べると入院患者で多い傾向でく (31.7% vs. 24.3%、統計学的有意差なし)、女性が男性に比べて有意に多く (42.3% vs. 6.2%、p < 0.001統計学的に有意差あり)、高血圧患者ではあきらかにに多く (40.4% vs. 23.1%、p = 0.014優有意差あり)、呼吸器症状のある患者でも有意に多かったようです (31.7% vs. 14.0%、p = 0.021)。

●重傷者、動脈硬化+の方はひどくなりやすいようです。 コロナ後は女性ほ方がかなり脱毛が多くようです。ホルモン関係か、エストロジェンの血液凝固作用が関与なのでしょうか。コロナで微小血栓が発生することが病状の重症化に関与している・・・という話は聞いています。現在でも完全に解明されていません。

もともとAGAのある患者さんは、コロナ感染症中の入院率が優位に高く(69.4% vs. 35.3%、p < 0.001)、発熱の発生率も優位に高かった(69.4% vs. 54.6%、p = 0.033)。●これは個人的経験からの予測ですが、基本AGAは動脈硬化が関与しているはずです。

パンデミック期間中の一般的「休止期脱毛症」の発生率は約2%であることがわかっており、コロナ感染症後休止期脱毛症は感染した人の約4分の1に発症していました。 当院でも女性のコロナ後脱毛症の方が多い傾向でした。

コロナ感染症後休止期脱毛症・発症までの時間は、PCR陽性から7~8週間であり、一般的な感染後休止期脱毛と大差はありませんでした。 重度のコロナ感染症・患者は休止期脱毛を発症しやすいようです。 AGAの存在は、重度コロナ感染症と関連しています。 パンデミックの間、臨床医は脱毛を呈する患者では過去のコロナ感染症を考慮する必要があります。 ●2024年9月時点でも11波のコロナ感染症継続中です。

ストレスも休止期脱毛症を起こす原因としては考えられますが、調べた患者さんたちのストレスの強度に差はなくコロナ感染が影響していると考えられました。

入院状況、高血圧の有無、呼吸器症状の有無はコロナ感染の重症度を示す大きな指標であることを考慮すると、本研究における上記の知見は、コロナ感染症後休止期脱毛症は重症コロナ感染・患者でより一般的であると解釈できる。

コロナ感染症後休止期脱毛症・発症までの時間は、他の誘因から約2か月後に起こる感染後・休止期脱毛症と大差はないようでした。より重度のコロナ感染症に感染した人の方が休止期脱毛症を発症する可能性が高いようです。 これまでの報告と一致して、AGAの存在はより重度のコロナ感染症と関連していると考えられます。

コロナ感染症が続いている間は、臨床医は脱毛を呈する患者では最近のコロナ感染症を考慮する必要があります。 ●特にコロナ感染症にかかり治った後にまたコロナ感染症にかかるとかなり髪に影響がですような印象です。