NIH(アメリカ国立衛生研究所)より

原文は右記のリンク先です https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK278957/

この文章をグーグルで翻訳して自分のコメントを入れてわかりやすくまとめています。 一般の方の教科書的なコンテンツにするために、医学的に詳しすぎたり、あまり意見としてまとまっていない項目は削除しています。 

■このしかくの部位、もしくは■・・・・■で囲まれた部位は院長・木藤の意見、もしくは別文献等からほぼ間違いないと自分で判断した内容などです。

Leila Asfour、MBChB BSc MRCP (Derm)、William Cranwell、MBBS(Hons)、BMedSc(Hons)、およびRodney Sinclair、MBBS、MD、FACD。著者情報と所属  ←記述者の詳細だと思います

Sinclair Dermatology, 2 Wellington Parade, East Melbourne, Victoria 3002, Australia 
University of Melbourne Department of Medicine, and Sinclair Dermatology, 2 Wellington Parade, East Melbourne, Victoria 3002, Australia

An official website of the United States government(NIH)=アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)の文章です

NIHのテキストを日本語訳(グーグルにより)し、一般の方が理解しやすいよう、さらに偏りが大きくない情報にして提供するつもりで記載します。  先に「国領きとうクリニック」の医療的な立ち位置をお話していた方が公正になると思いますので記載します。(作為的に国領きとうクリニックに誘導する意思はありません。アメリカの一般的な教科書的コンテンツとして提供するつもりで作成しました)

当・国領きとうクリニックの基本的治療方針は以下です。

●一般的な発毛治療では効果不十分な場合
●発毛の効果を極力早く希望、もしくは強力に発毛を希望する方・・・

上記の方への治療手段としてメソセラピー(手打ち)を専門にするクリニックです。
院長一人で施術しますので看護師や他の医師が施術を行う事はありません。(技術的に安定しています)

メソセラピー(頭皮注射)に関しての経験するは2千人は軽く超えました。薄毛の患者さまの診療数はおそらく1万人に近くなっていると思います。(もしくは超えた?)
メソセラピー(頭皮注射)自体の回数は一人の患者様に平均20回位、多い場合で30回以上の針をさしますので、合計で4万回以上になったかもです。(数えていませんのでおよその回数です)

●治療に使用する内容は「幹細胞培養上清液(エクソソーム含む)」「PRP・多血小板血漿」「近赤外光治療」がありますが、メソセラピーとしては上清液(幹細胞培養上清液)とPRP(多血小板血漿)の二つになります。

●PRP・多血小板血漿は厚労省が管轄する3種再生医療に属します。厚労省が管理管轄をされており国領きとうクリニックは申請後、許可されております

●発毛薬・ミノキシジルの内服を使用する場合は基本的な「聴診」「BNP(心機能)」等を行います

脱毛予防薬のみの処方は行いません(当院でメソセラピー・発毛剤ミノキシジルの内服等を使用する患者様が必要と判断した場合は用意はいたします)
★希望が多いので、フォローアップを確実に行う事を前提に処方をだすことになりました。★

以上のような方針なので基本的に一般の診療に来院していただく、というよりは普通の治療でうまく対応ができない場合や、急ぎの発毛治療をメインに対応しています。

脱毛予防の薬剤(フィナステリド・デュタステリド)もしっかりフォローする事を前提として処方する事になりました。

翻訳に関して一般の方が読んで、少なくとも公正な情報が入手できる事を最大の目的としました。そのため原文の通りだとある程度詳しい人は意味はわかると思いますが、単語の使用が若干違う場合があります。その場合は日本の一般的な表現に変更しています。  MAA=AGAと変更しています。

まとめ

男性アンドロゲン性脱毛症(若干の違いがある可能性はありますが、一般の方が読んで理解しやすいようにMAA=AGAとしました。MAA=male androgenetic alopecia)は、男性に最も多くみられる脱毛症で、50歳までに男性の30~50%が罹患します。
■海外の場合です。 日本人は海外よりも10歳位遅くAGAが発症するという文献がありました。さらに、考え方として50歳をAGAの境として考えている印象をもった事項があります。 フィナステリドの治験は50歳までの人しか設定していないのです。 考え方によっては50歳すぎたら薄毛で当たり前だよ、と考えているのかもしれない、と初めてこの事実をしった時に思いました。■

 AGAは、非常に再現性の高いパターンで発生し、こめかみ、頭頂部、前頭部中央部に優先的に発症します。  

AGAは比較的軽微な皮膚疾患とみなされることが多いですが、脱毛は自己イメージに影響を及ぼし、男性によっては不安やうつの大きな原因となります。 AGAは、動脈硬化や心血管疾患のリスク要因としてますます認識されています。1

AGAの家族性傾向や有病率の人種差はよく知られており、素因の約80%は遺伝によるものです。
遺伝的に感受性のある人では、アンドロゲンの正常レベルでも脱毛を引き起こすのに十分です。AGAの主な病態生理学的特徴は、毛周期の発達の変化、毛包の小型化、炎症です。

AGAでは、成長期は各サイクルごとに短縮しますが、休止期の長さは一定のままか延長されます。最終的に、成長期の期間が非常に短くなるため、成長中の毛髪は皮膚の表面に達するのに十分な長さにならず、空の毛包孔が残ります。
毛包の小型化は、男性型脱毛症の組織学的特徴です。

一次毛包の周囲に付着している立毛筋がすべて二次毛包から分離し、一次毛包が小型化および分離すると、脱毛はおそらく不可逆的になります。
■この状態が毛穴が開口しているか?とうかはおそらく検討されていません。 経験的には毛穴がある場合は発毛は可能だと思っています。記載されている内容は、つまり非可逆性の脱毛症になっている病理状態を解説しているのだと理解しました■

多くの男性は治療を受けないことを選択しますが、外用ミノキシジルと経口フィナステリドは、AGAの治療薬として米国食品医薬品局によって承認されています。どちらの薬もさらなる脱毛を防ぎますが、禿げ(はげ)を部分的にしか元に戻すことしかできず、効果を維持するには継続的な使用が必要です。

外用ミノキシジルは、2% または 5% 溶液、または 5% フォームとして忍容性が良好です。
■日本では1%と5%のみです■
休止期毛が抜け落ちるため、最初は数週間にわたって脱毛が加速します。■ミノキシジルが効果がある場合の一つの特徴になります。 休止期の毛の下から新しい毛が出てくるので早めに抜ける、という印象です■軽微な副作用には、頭皮のかゆみ、ふけ、紅斑などがあります。

フィナステリドは、II 型 5 α 還元酵素の強力かつ選択的な拮抗薬であり、抗アンドロゲン剤ではありません。 5 α 還元酵素は、テストステロンをジヒドロテストステロン (DHT) に変換します。頭皮の毛包アンドロゲン受容体に結合した DHT は AGA を生成します。 フィナステリドを 1 日 1 mg 経口投与すると、頭皮のジヒドロテストステロンが 64%、血清中のジヒドロテストステロンが 68% 減少します。

フィナステリドの場合は性機能障害 (勃起不全、性欲減退、無オルガスム症) などの副作用はまれであり、ほとんどの場合、治療を中止することなく解消します。
ソーシャルメディアやインターネットフォーラムでは、永続的な性的な副作用が報告されていますが、実際の発生率は不明です。
■薬理学効果から持続性その他を考慮すると性的な副作用は多くは薬剤よりも精神的な影響の方が大きい印象を自分は持ちます。 半減期が数時間という事は薬の効果は服用を中止した場合に数日でほぼ薬剤は体内から消失します。 7日経過すれば全くない、と言っても良い位になります。 薬の影響は1週間で完全になくなる可能性が高いです。 ただし、長期に服用していた場合はこの限りではなく、いろいろな状況が起こりえます。 基本的には飲まなくて何とかなる場合は自分 院長・木藤はおすすめはしたくありません。 自分の場合も同じ考えでした■

デュタステリドは、タイプ I 、タイプ II両方 の 5 α 還元酵素を阻害し、若い男性の育毛改善にはフィナステリドよりも優れている可能性があります。(可能性ではなくデータ的にはあきらかと考えます)
ただし、デュタステリドではフィナステリドよりも有害な性的な副作用が一般的です。
■気を付ける事は精子の数はかなり減少します。お子さん希望の場合は妊活中はデュタステリドは使用中止すべきと思います。 フィナステリドはほとんど精子は減少しませんが、お子さんの奇形があった場合を考えると使用しない方がよいと自分は考えます。■

作用機序の異なる薬剤を組み合わせると、効能が高まります。
局所抗アンドロゲン、プロスタグランジン類似体、局所抗真菌剤、成長因子、レーザー治療はすべて MAA の新しい治療法ですが、効能と安全性を確認するための必要な研究が不足しています。

植毛では、後頭部の頭皮から毛髪を除去し、禿げている頭頂部と前頭部の頭皮に再植毛します。最新の技術により、90% を超える移植片生存率を確実に達成できます。
■アメリカはかなり植毛が盛んという事は情報としてあります。 植毛に関しては考えとして、費用は普通の治療より一層かかる。という事です。 なるべく安く治療費をしたい、という考えでは植毛の問題はかなり現実的には「複雑・ややこしい」という印象です。■

(NIH)=アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)からの教科書的な記載です。

はじめに

男性型脱毛症(AGA)は、男性の脱毛症の最も一般的な原因です。脱毛症は進行性です。
硬毛が軟毛に徐々に変化し、非常に再現性の高いパターンで頭皮がむき出しになり、脱毛症につながります。
思春期以降、ある程度のアンドロゲン依存性脱毛症は普遍的ですが、加齢とともに脱毛症と診断されるほど重度の脱毛症の有病率が高まります。

双子の研究により、脱毛症は遺伝的に決定される現象であることが確認されています。
・宦官の観察研究により、この症状のアンドロゲン依存性が立証されています。■※宦官とは、男性器を去勢された官吏や側仕えを指す言葉です。中国では紀元前から存在し、皇帝や後宮に仕える奴隷?という立場でありながら公的な仕事をこなす官僚?でもありました。精巣を摘出された宦官からはAGAが起こりませんでした。 しかし宦官の人に男性ホルモンをを使用するとAGAが発生した、という実験があります。つまり男性ホルモンがAGAに関係している事はこの実験から明らかになったのです。

・AGA は、心筋梗塞、高血圧、高コレステロール血症の発生率の増加と関連していると報告されています。

局所用ミノキシジルとフィナステリド(5αリダクターゼタイプII阻害剤)は、AGAに対するFDA(アメリカの厚労省みたいなもの)承認の唯一の治療法です。■報告を見ているとミノキシジル1mgはFDAに認められたのかもしれません。
両薬剤は脱毛の進行を止め、部分的な毛髪の再生を促します。デュタステリド(5αリダクターゼタイプIとIIの二重阻害剤)はより強力で、第II相試験ではフィナステリドよりも効果的でした。■ただし学問的には副作用の問題も指摘されています。人によって良い適応ではない場合がある,と院長・木藤は考えています。
米国では毛髪移植が広く行われており、ドナーの後頭部の毛髪が比較的少なく、アンドロゲン耐性があるという性質を利用しています。

AGAの疫学

ハミルトンは、男性の30%から50%が50歳までにAGAを発症すると推定しました(1)。
多くの西洋の研究では、AGAの発症率と脱毛パターンには人種や年齢による違いがあることが示されています(2)。

AGA の発症率と重症度は、他の国籍の男性よりも白人男性に多いと報告されています。
日本人の AGAの発症は、白人よりも 10 年遅く起こります。(4)  
AGA の年齢による有病率は、数多くの研究対象集団で記録されています。
オーストラリアでの報告です。
・頭頂部または全頭脱毛症 (ノーウッド・ハミルトン スケール) の有病率は、年齢とともに 31% (40~55 歳) から 53% (65~69 歳) に増加します。
・前頭部の生え際の後退は、40~55 歳の男性の 25%、65~69 歳の男性の 31% に見られました(9)。

AGAの心理社会的影響

AGAの影響は主に心理的なものです。

注目すべきことに、調査対象者の 90% 以上で、脱毛症の男性は魅力が低下するという認識が見られたことです。 しかもこの見方は、非脱毛症の男性よりも女性に多く見られました。 ■この点は男性はしっかり認識できていると思います。だからこそ髪の毛に関する情報に商売がからみ,正確な情報提供がなされてない印象があります。

最近の研究では、男性型脱毛症の患者は、うつ病や不安症の有病率が高いことが確認されています(16)。
しかし、ほとんどの患者は、精神社会的機能に大きな影響を受けることなく、男性型脱毛症にうまく対処していることが重要です。■脱毛予防の薬はキャラクターによっては長期に内服しない方が良いと自分の経験では感じます。この内容をエビデンスレベルで証明するのはむずかしいと思います。■脱毛予防の薬は明らかに関与している,と報告しているもあるようです。

AGAと疾患の関連性

Cottonらは、男性型脱毛症が心血管疾患の危険因子である可能性があるという考えを初めて提唱しました(17)。これはその後、いくつかの他の研究によって裏付けられました(18-21)。

最近の研究では、少なくともグレード3の頭頂部脱毛症を呈する無症状の若い男性は、正常な毛髪状態の男性よりも動脈硬化のリスクが有意に高いことがわかりました(22)。

30歳未満でのAGAの重度の早期発症は、虚血性心疾患のより高いリスクと関連している可能性があります。 22,071人のアメリカ人を対象とした後ろ向き研究では、頭頂部の脱毛症を呈する男性は前頭部の脱毛症を呈する男性と比較して心筋梗塞の発生率が高いことが示されました(23)。■動脈硬化とAGAが関連しているのは予想していましたが,心筋梗塞と関連があるというお話しは知りませせんでした。

前立腺がんも、AGA と正の関連があることがわかっています(31,31)。
大規模なオーストラリアの症例対照研究では、頭頂部の脱毛が前立腺がんのリスクの 50% 増加と関連していることが判明し、11 年間の追跡データでは、40 歳での頭頂部の男性型脱毛症が早期発症の前立腺がんのリスク増加のマーカーである可能性があることが示唆されています(32,33)。

Medline および Cochrane データベースを使用して実施されたメタ分析では、前立腺がんのリスク増加は頭頂部の脱毛症とのみ関連しており、他のパターンでは関連が見られないことが示唆されています(34)。

AGAの病因

遺伝と男性ホルモンは両方とも「男性ホルモン性」脱毛症を引き起こす上で重要です。

遺伝学と男性型脱毛症
AGAの家族的傾向と、脱毛症の有病率における人種差はよく知られています(5,47)。

双子の研究では、遺伝が脱毛症の素因の約 80% を説明することが確認されました(48)。
遺伝要因は、循環アンドロゲンに対する毛包の反応の程度を変更します。
強い素因を持つ人は 10 代で脱毛しますが、弱い素因を持つ人は 60 代または 70 代まで脱毛しない場合があります。70 歳までにほとんどまたはまったく脱毛しない男性は 15% 未満です(49)。

1916 年にオズボーンは、脱毛遺伝子は男性では常染色体優性様式で、女性では常染色体劣性様式で作用することを示唆しました(50)。 ■これは基本的に男性はとても遺伝しやすい,という事になります■
注目すべきは、アンドロゲン受容体遺伝子は母親から男児に受け継がれる X 染色体上にあることです。
●しかし、家族研究で父親と息子の脱毛症の類似性が示されており、これは アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異だけでは説明できません。 これらのデータは、他の常染色体遺伝子もこの表現型に寄与している可能性があることを示唆しています。※この部分の記載はかなり専門的でわかりにくいのでいくつかの文章は削除しています。

●しかし、AGAにおける 5 α 還元酵素の役割は、テストステロンからジヒドロテストステロン (DHT) への代謝における役割や、脱毛症の治療における 5 α 還元酵素阻害剤の効果から明らかです。

Hillmerらは、染色体3q26にAGA感受性遺伝子座位が存在するという強力な証拠があると報告しています(56)。
※確定していない多々の研究データがありかなり削除しています。
■結論的にいうとAGAに関してはまだ完全には解明できていないという事です。完全に解明できていない、という事はかなり重要な事で今後の研究で若干の治療方針の変更はあり得る事を意味します■

男性型脱毛症(AGA)における遺伝子検査

遺伝子多型に基づく診断検査は、将来的に男性型脱毛症を発症する可能性を予測するために現在市場に出回っています(53,56)。脱毛症を心配している若い患者にとって、この検査は早期治療開始の価値を定義するのに役立つ可能性があります。■院長・木藤の意見としては大きな価値ではないような気がします。薬の副作用その他が今後起こりえる事を考えると(多くの一般の方はこの事実は正確には把握できていないと思います)具体的に薄毛が始まったと理解して、自分が「今後どのようになりたい」が理解できているか?どうかだと思います。 薄毛になっても気にされない方もおおられるわけです。自分がどのようになりたいのか? 現在わかっている事実を正確に理解し(情報を入手し)リスクをある程度把握して治療選択を正しく行う事・・・・・・これに尽きると思います。 その手助けができるようにこのページは作成しています。■

ホルモンと男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症におけるアンドロゲンの役割は十分に確立されています。
アメリカの解剖学者ジェームズ・ハミルトンは、去勢された雄はテストステロンを補充しない限りAGAを発症しないことを観察しました(61)。

血清中のアンドロゲン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸塩(DHEA)、遊離テストステロンの濃度を測定した結果、症例群と対照群の間で再現性のある差が認められなかった(62)。

AGA 患者と年齢をマッチさせた対照群でさまざまなホルモン濃度を評価した研究では、
●AGA 患者でコルチゾールとアンドロステンジオンの濃度が上昇していることが測定された(63)。この研究はさらに、広範囲のホルモンが男性型脱毛症に影響を及ぼしている可能性を示唆している。

●頭皮の脱毛と多毛症は女性のアンドロゲン過剰症の重要な特徴であるが、いくつかの調査では女性のアンドロゲン濃度の上昇が認められなかった(64)。したがって、遺伝的に感受性の高い人では、正常なレベルのアンドロゲンでも脱毛を引き起こすのに十分であることが示唆されている。

アンドロゲン不応症および5α-還元酵素欠損症を伴う類宦官患者が脱毛しないという観察は、AGAがDHTによる毛包アンドロゲン受容体の活性化によって誘発されることを示唆している(65-67)。
アンドロゲン受容体遺伝子の機能異常を伴うケネディ病の患者はMAAのリスクが低い(68)。※Kennedy病とは球脊髄性筋萎縮症とはSpinal and Bulbar Muscular Atrophy: SBMAのことで、 脳の一部や脊髄の 運動神経 細胞の障害により、しゃべったり、飲み込んだりするときに使う筋肉や舌の筋肉、さらには手足の筋肉が萎縮(やせること)する病気です。

●脱毛している頭皮では、脱毛していない頭皮と比較してDHTレベルの上昇が認められている(69)。■アメリカではフィナステリドの外用剤があるはずです。■

生殖腺や副腎などの古典的なステロイド生成器官と同様に、毛包、皮脂腺、エクリン腺/アポクリン腺などの皮膚とその付属器には、アンドロゲンの合成と代謝に必要なすべての酵素が備わっている。 5α還元酵素は、毛包内でテストステロンをより活性な代謝物であるDHTに変換する上で中心的な役割を果たす(71)。

DHTはアンドロゲン受容体にテストステロンの5倍の結合力で結合し、下流の活性化を引き起こす能力がより強力である(72)。
2つの5α還元酵素アイソザイムが、最適pHと組織発現パターンの違いに基づいて特徴付けられている(73)。

●タイプ1 5α還元酵素は、免疫組織化学的に皮脂腺、表皮、エクリン汗腺、アポクリン汗腺、毛包に存在している。皮膚では、タイプ 1 5α 還元酵素の活性は皮脂腺に集中しており、ニキビができにくい部位と比較して顔面や頭皮の皮脂腺で有意に高くなっています。

ノーザンブロット研究では、タイプ 1 mRNA が新生児包皮角化細胞に豊富に存在し、次いで成人の顔面脂腺細胞に多く、後頭毛細胞の真皮乳頭 (DP) では髭よりも強い発現がみられます(74)。また、肝臓、副腎、腎臓にも見られます。タイプ 1 酵素の幅広い発現パターンにもかかわらず、その生理学的機能は不明です。タイプ 2 酵素は、免疫組織化学によって、真皮乳頭、外毛根鞘の内層、脂腺管、頭皮毛包の近位内毛根鞘に存在することがわかっています(75)。また、前立腺、精巣、肝臓にも存在します。タイプ Ⅱ5α還元酵素は、循環する DHT の約 80% を占めます。

ホフマンらによる最近の研究では、男性型脱毛症の発症に関与する酵素が他にも多数あることが実証されています。■つまりAGAに関してはまだまだ分かっていない事もかなりあるわけです■
17-β-および3-β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)は、真皮乳頭内の2型5α還元酵素とともに、毛包内でのテストステロンからDHTへの変換において中心的な役割を果たしています(76)。

体の特定の部位に分布しているヒトの毛包は、思春期に始まるアンドロゲン依存性成長に対する遺伝的感受性を持っているようです。体の部位によって、アンドロゲンはヒトの毛包に対して矛盾しながらも異なる影響を及ぼします。 アンドロゲンは、遺伝的に素因のある人のひげ、腋窩、陰部などの一部の部位では毛の成長を刺激し、前頭部の頭皮の毛の成長を抑制します。

培養されたひげの真皮乳頭細胞に対するアンドロゲン刺激は、インスリン様成長因子 1 (IGF-1) の転写の増加と、共培養されたケラチノサイトの成長の促進につながります。

髭の真皮乳頭細胞は、テストステロンに反応して成長を誘導する自己分泌成長因子を分泌することが知られており、真皮乳頭のサイズの増加、毛包と毛皮質の拡大につながります。IGF-1 は分泌サイトカインの主要成分として特定されています(80)。

頭皮の脱毛は、各毛包に固有の要因によって、規則的かつ再現性のあるパターンで進行します。
試験管内実験では、毛包が 5 α 還元酵素とアンドロゲン受容体の発現を調節することで、アンドロゲンに対する反応を自己調節できることが示されています(81-83)。 この自己調節により、頭皮の脱毛部位と非脱毛部位で観察されるアンドロゲン受容体の数と 5 α 還元酵素の活性に定量的な差が生じると考えられています(54、81、82、84)。この固有の調節は、毛髪移植実験で最もよく実証されています。
・後頭毛は頭頂部に移植されても AGA に対する抵抗性を維持し、頭頂部の頭皮毛を前腕部に移植すると、ドナー部位に隣接する毛と同じペースで細くなります(85)。

病態生理学

男性型脱毛症では、大きな終毛毛包が脱落し、小さな軟毛に置き換わる。
・頭皮の3つの領域、すなわちこめかみ、頭頂部、前頭部中央部が優先的に影響を受ける。
両側頭皮の脱毛は前髪の生え際から始まり、頭皮の後方に移動する。頭頂部の脱毛は中央から始まり、円周方向に外側に放射状に広がる。 前頭部中央部では、毛包の小型化により、クリスマスツリーを思わせる脱毛パターンが生じる(86)。これらの3つの領域は均等に影響を受けるわけではなく、脱毛パターンの臨床的変動をもたらし、前頭部がより脱毛する男性もいれば、頭頂部がより脱毛する男性もいる。

毛周期のダイナミクスと男性型脱毛症
毛髪は周期的に抜け、再生します。毛包は成長、退縮、休止期、再生という周期的な段階を経ます。

成長期(成長期)は 3~5 年続きます(87)。■一般的には2~7年。 男性2~5年,女性3~7年 という感じだと思います。 資料によって一定していませんが,かなり経験の長い先生方のお話しをまとめるとこんな感じです■
毛髪の伸びは 1 か月に 1 cm と比較的一定であるため、成長期の期間が最終的な毛髪の長さの主な決定要因となります。■これも経験の長い信頼できる先生のお話しでは女性で1ヶ月に2センチ位伸びる方がおられるようです■
成長期の終わりには、退縮期(退行期)が数週間続きます。その後、毛包の休止期(休止期)は約 3 か月続きます(88)。
・毛包の再生は成長期のおよそ 1 週間後に起こり、再生されると、毛髪が最終的な(おそらく事前に決定された)長さに達するまで成長期が続きます。

人間の毛周期は非同期であり、成長期の期間と毛の最終的な長さは体の部位によって異なります。 成長因子、核受容体、サイトカイン、細胞内シグナル伝達経路など、多くの分子シグナルが毛周期の制御に関与しています。
●IGF-1、HGF(肝細胞増殖因子)、ケラチノサイト増殖因子、血管内皮増殖因子 (VEGF) などの成長因子は、毛周期の成長期を促進します。
・同様に、形質転換成長因子ベータ (TGF ベータ)、インターロイキン 1 アルファ、腫瘍壊死因子アルファは退行期の開始を促進します(89)。

男性型脱毛症では、成長期の持続期間は各サイクルごとに短縮するのに対し、休止期の長さは一定または延長します。この結果、成長期と休止期の比率が低下します(47)。

脱毛症の患者は、櫛通しや洗髪時に最も顕著な、過剰な抜け毛の期間を訴えることがよくあります。これは、休止期の毛包の数が相対的に増加するためです。毛髪の成長速度は比較的一定であるため、成長期の成長期間によって毛髪の長さが決まります。したがって、毛周期が短縮するたびに、各毛幹の長さが短くなります。
最終的に、成長期の持続期間が非常に短くなるため、成長中の毛髪は皮膚の表面に達するのに十分な長さにならず、空の毛包が残ります。

AGAでは、小さくて淡い色の毛が徐々に大きくて色素のある毛に置き換わります。
アンドロゲンは、胎児のメラノサイトの移動と眼球メラノサイトの色素沈着に重要な真皮乳頭幹細胞因子 (SCF) の産生を阻害することで、脱毛症の毛の色を軽減するようです(92)。

毛包の縮小

毛包の小型化は、男性型脱毛症の組織学的特徴である(93)。
毛包は間葉系と外胚葉系の成分から構成される。外胚葉系部分は、表皮が真皮と皮下脂肪に陥入したものから構成される。
毛球には毛幹を生成する毛母細胞が含まれる。間葉系成分は真皮乳頭であり、毛球に完全に囲まれた小さな特殊な線維芽細胞の集まりである。

毛周期のダイナミクスの変化に伴い、AGA では毛包装置全体が段階的に小型化します (図 4 ) 。
毛包基部の毛球の中央に位置する間葉系由来の真皮乳頭は、上皮毛包の多くの側面を制御し、生成される毛の種類を決定します(94,95)。
真皮乳頭のサイズと毛母細胞のサイズの間には一定の幾何学的関係があるため、真皮乳頭のサイズによって毛球のサイズが決まり、最終的には生成される毛幹が決まると考えられます(99, 100)。

総細胞数が10倍以上減少したことが、毛包サイズの減少の原因である可能性が高い(101) 。
この減少が起こるメカニズムは説明されていませんが、アポトーシス細胞死、ケラチノサイトの増殖低下 ( 92 )、細胞接着の喪失による細胞置換による真皮乳頭線維芽細胞の真皮への脱落、または毛包の外毛根鞘に関連する真皮鞘への真皮乳頭細胞の移動のいずれかの結果である可能性があります(100, 102)。

in vitro 研究では、脱毛しているヒトの真皮乳頭細胞が、ヒトとげっ歯類の両方の真皮乳頭細胞の成長に影響を与える抑制因子と、in vivo でマウスの成長期の開始を遅らせる因子を分泌することが実証されています。
これらの抑制因子は、MAA でより小さな真皮乳頭とより小さな毛の形成を引き起こす可能性があります(103)。
インスリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP3)は、トランスジェニックマウスの研究において毛包のケラチノサイトの増殖に対して拮抗作用を示すことが実証されている(104)。

毛包が小さくなると、毛髪は細くなります。
毛幹の直径は 0.08 mm から 0.06 mm 未満に減少します。

脱毛症の頭皮では、移行期の不定形毛が、完全なサイズの終毛と縮小した終毛の間の橋渡しとなります(105)。
従来の AGA モデルでは、毛包の縮小は段階的に起こるとされています。
・これは最近異論があり、終毛から軟毛への移行は突然の大きな段階的プロセスとして起こると考えられています。

いずれにせよ、個々の毛幹の断面積は完全に発達した成長期を通じて一定のままであり、毛包とその真皮乳頭は同じサイズのままであることを示しています(105)。
したがって、毛包の縮小は成長期内ではなく、成長期サイクルの間に起こります。
アンドロゲン効果のこの短い期間は、臨床反応と治療開始の間に経験される長い遅延を説明するかもしれない。なぜなら、いかなる薬理学的介入も、小型化の時点でのみ効果を発揮するからである(105)。

毛包の小型化により、真皮に元の毛包の残骸として石が残る。これらの石は線維路またはストリーマーとも呼ばれ、皮下組織から古い毛包路を通って小型化した毛まで伸び、元の終毛包の正式な位置を示す(106, 107)。

毛包石内に弾性染色とともにアラオ・パーキンス小体が見られることがある。
アラオ・パーキンス小体は、真皮乳頭の頸部にある弾性繊維の小さな塊として始まる。
これらは退行期に凝集し、毛包石の最も低い起源点に位置し続ける。
男性型脱毛症で見られる成長期の毛髪の進行性の短縮に伴い、梯子の横木のように石内に複数の弾性繊維の塊が見られることがある(108)。

男性型脱毛症では毛包の小型化により繊維が細くなるほか、成長期の短縮により毛髪の長さが短くなり、休止期の増加により再生が遅れます。
その結果、毛髪は短く細くなり、頭皮の表面まで届くほどの長さにはなりません。

円形脱毛症でも毛髪の縮小が見られますが、この自己免疫疾患は治療(コルチコステロイドなど)によって完全に回復する可能性があります。

対照的に、AGA は最善の状態でも部分的にしか回復しません。この違いのメカニズムは、立毛筋と毛包の付着に関係している可能性があり、これについてはこの章の後半で説明します。

脱毛のパターン

脱毛には、マクロ的パターンとミクロ的パターンの 2 つの同時パターンがあります。
マクロ的脱毛パターンは、頭皮の特定の領域が優先的に影響を受けるため、非常に再現性があります。
これは、頭頂部の頭皮で最もよく見られ、中央の焦点から脱毛が始まり、脱毛があらゆる方向に放射状に進行します。スキップのない病変があります。

脱毛の顕微鏡的パターンとは、頭皮の毛包単位内での脱毛のパターンを指します(109)。
髭の毛とは対照的に、頭皮の毛は 1 つの毛穴から 2 本から 5 本の毛が生えている複合毛包として存在します。 ■日本では5本は極めて少ないです,多くて3本,極めてまれに5本の場合があるのかも? ですが,自分は経験はありません。日本人の場合は1つの毛穴からの多くは4本までの場合が多い■これらの毛包単位内の小型化も規則的に起こり、毛包単位あたりの硬毛数の減少につながります。
これは、患者には毛髪のボリュームの減少として認識されます。
毛包単位内のすべての毛が小型化すると、さらに頭皮が剥がれ落ちたことが目に見えてわかり、患者には禿げとして認識されます。

炎症

研究では、炎症が AGA の特徴であることが示唆されているが、この疾患の発症における炎症の重要性については議論がある。
頭皮生検では、活性化 T 細胞が毛包漏斗の下部に浸潤していることが実証されている(110)。
中等度の毛包周囲のリンパ組織球浸潤は、おそらく毛包周囲のコラーゲン沈着の同心円状の層を伴い、男性型脱毛症の症例の約 40% に認められるが、正常対照群ではわずか 10% である(107)。
時折、好酸球および肥満細胞が見られる。細胞の炎症性変化は、症例によっては下部毛包の周囲にも生じ、毛包石を伴うこともある。
脱毛している頭皮と脱毛していない頭皮では、炎症性浸潤にかなりの違いが観察されている(111)。

毛包の上部周囲に中程度の慢性炎症があることは、多くの研究者によってよく報告されている(108、111、112)。

瘢痕

脱毛の不可逆性、線維性線維の組織学的証拠、およびAGAと毛孔性苔癬の間に見られる組織学的類似性により、ゆっくりとした炎症性瘢痕形成プロセスの可能性が示唆されている

組織病理学


AGAでは組織学的診断が必要になることはまれです。■他疾患との区別がつかないそんな場合に参考になる,という主旨かな・・・と思います。経験的にはめったにありません。■
診断が曖昧な患者の場合、4mm パンチ頭皮生検が理想的な標本です。
水平頭皮生検は垂直生検よりも診断情報が多くなります(107)。女性男性型脱毛症では、水平三重生検の診断精度は 98% であるのに対し、単一生検では 79% であることが示されています(114)。■よほど特殊な病気でない限りは生検は必要がないし、体に傷をつける事自体の意義を考えないといけないと強く思います。 ただし、医学的には必要な事があることもたしかです■

メッセンジャーらは、女性型脱毛症の女性では脱毛の重症度が増すにつれて軟毛毛包の数が増加し、終毛毛包が実際に小型化することを示唆していると報告した(115)。

毛包の小型化が男性型脱毛症の発症と発達の重要なポイントであることを考慮すると、毛髪直径の多様性は、小型化のさまざまな段階を反映して組織学的に重要な特徴を表し、これは臨床的な毛髪直径の多様性と正確に相関しています(116)。

医療管理
外用ミノキシジルと経口フィナステリドは、現在米国食品医薬品局によって男性の男性型脱毛症の治療薬として承認されている唯一の 2 種類の治療法です。

これらの薬剤はどちらもさらなる脱毛を防ぎますが、脱毛を部分的にしか元に戻せません。
効果を維持するには、どちらも継続的な使用が必要です。臨床反応が明らかになるまでに 6 ~ 12 か月かかる可能性があるため、治療を継続するかどうかを決定する前に、これらの薬剤を少なくとも 1 年間使用する必要があります。

低出力レーザー療法としても知られる HairMax LaserComb も、男性型脱毛症の治療薬として FDA の認可を受けています(121)。これらは、FDA によって男性型脱毛症の治療薬として認められている唯一の治療法です。

ミノキシジル


経口ミノキシジルは、1960年代から高血圧の治療に使用されてきました(122)。 ミノキシジル治療の結果として多毛症がすぐに観察され、使用者の100%に発生すると言われています(123、124)。これらの観察から、脱毛症の治療薬として局所ミノキシジルが開発されました(125)。1984年にFDAによって男性型脱毛症の治療薬として承認されました。

多くの研究者がミノキシジルの作用機序について仮説を立てています。・・・■確立されたものがあまりない、ようです。今後の研究で変わる可能性もあります■

重要な仮説の 1 つは、血管拡張作用があるというものです。
局所的にミノキシジルを塗布してから 10 ~ 15 分後には皮膚の血流が増加することが観察されています(126)。
真皮乳頭の血管系と発毛の維持に役立つ血管内皮増殖因子 (VEGF) の上方制御は、ミノキシジルのもう 1 つの重要な作用です(127)。
Li らは、真皮乳頭細胞の実験から、ミノキシジルが VEGF を刺激する可能性のあるメカニズムを提案しました(128)。
彼らは、ミノキシジルがアデノシン受容体 A1 と A2、およびスルホニル尿素受容体 SUR2B に結合すると、アデノシンシグナル伝達経路が活性化され、VEGF の放出が増加すると示唆しています。VEGF が過剰発現すると、毛包周囲の血管新生が増加し、発毛が加速されます。

ミノキシジルはカリウムチャネルを開く作用によって発毛を促進するというのが一般的な見解です(129, 130)。
活性代謝物である硫酸ミノキシジルは、アデノシン三リン酸 (ATP) 感受性カリウムチャネル (KATP チャネル) を開き、それによって血管平滑筋に弛緩作用を及ぼし、細胞内電位をより負にすると仮定されています。この負の勾配は、細胞内カルシウムの枯渇を促進します。

カルシウムの存在下では、上皮成長因子が試験管内で毛包の成長を阻害することが示されている。
ミノキシジルから硫酸ミノキシジルへの変換は、周囲の皮膚よりも毛包内で高く、EGF 誘発性成長阻害を抑制し、毛包の成長期を延長する可能性があります(128)。
細胞周期に対する効果は、成長期の開始を開始し (それによって休止期期間を短縮し)、退行期の開始を遅らせることによって成長期の期間を延長することです。

いくつかの研究で、外用ミノキシジルの発毛促進効果が示されています(131, 132)。外

用ミノキシジルの 5 年間の追跡調査では、長期使用によるミノキシジルの持続的な効果が示されています(133)。

ミノキシジルは非特異的な発毛促進剤として機能しますが、アンドロゲンによって誘発される毛包の緩やかな小型化は、治療にもかかわらず継続します。

この証拠は、5% ミノキシジル、2% ミノキシジル、プラセボを投与された男性と、無治療のグループについて、刈り取った毛の重量を比較した 120 週間の二重盲検試験で見られます(132)。
予想どおり、ミノキシジル群では、治療導入時に毛髪重量の急増が見られました。
毛髪重量の最初のピークに関しては、5% 群が 2% 群よりも優れていました。
両群とも、プラセボ群および無治療群よりも優れていました。しかし、すべてのグループ(ミノキシジル、プラセボ、無治療)において、治療期間中の毛髪重量は年間6%ずつ減少しました。
これは、MAAの単独療法としてミノキシジルを使用している患者は、治療にもかかわらず脱毛が続くことを意味します。治療を中止すると、毛髪の成長に対するプラス効果は4~6か月で失われます(134)。

ミノキシジル外用剤には、2% と 5% の溶液があります。
現在、両方の濃度が男性の治療に使用されていますが、1 日 2 回使用する 5% ミノキシジル溶液の方が 2% 溶液よりも有効性が高いことが示されています(135)。

脱毛治療薬としてのミノキシジルの使用における最近の進歩は、5% 外用フォームの開発です。
従来の外用溶液は、意図した治療部位を超えて広がる傾向があり、乾燥するのに時間がかかる液体媒体で構成されています。
また、刺激物となる可能性のあるプロピレングリコールが高濃度で含まれています。
新しく開発された外用水性アルコール フォームはプロピレングリコールを含まず、対象部位に簡単に塗布でき、頭皮に直接すり込むことができます。
プラセボ対照二重盲検試験では、水性アルコール フォームが有効で安全であり、美容上患者によく受け入れられていることが実証されています(136)。

治療を開始すると、ミノキシジルは、休止期の毛包から成長期の誘導と、ミニチュア化した毛髪の成長の急増を引き起こす可能性があります。
これにより、治療開始後 2 ~ 8 週間で、休止期の毛髪が急速に抜け落ちる可能性があります。
この一時的な抜け毛は、ミノキシジルが有益な効果をもたらしていることを示す臨床的兆候と解釈でき、通常、数週間後に抜け毛は解消されます。

顔や手の多毛症(アンドロゲンに敏感でない皮膚に細い毛が生える)は、外用および経口ミノキシジルの後によく見られる副作用です。
外用ミノキシジル製剤では、頭皮のかゆみ、フケの増加、紅斑がよく報告されています。
ミノキシジルに対する接触アレルギー性皮膚炎が発生する可能性があり、これはミノキシジル自体が原因である可能性もあれば、より一般的には基剤中のプロピレングリコールが原因である可能性もあります(137)。

接触性皮膚炎の原因を区別するにはパッチテストが価値があり、プロピレングリコールを含まない新しいミノキシジルは、これらの患者に対する代替手段となります。

経口ミノキシジルは、男性型脱毛症の治療薬として認可されていないが、AGAを含むさまざまな毛髪疾患の治療薬としてますます利用されつつある(138)。

AGA タイプ III 頭頂部から V の 24~59 歳の男性 30 名を対象とした非盲検前向き単群試験では、経口ミノキシジル 5 mg を 1 日 1 回 24 週間投与した(139)。
試験では、12 週目と 24 週目にベースラインから総毛髪数の有意な増加が認められた (両方ともp ?= 0.007)。   専門家パネルによる頭頂部の写真評価では、100% の改善が認められ、患者の 43% に著しい改善が認められた。 前頭部にも有意な反応が認められたが、頭頂部ほどではなかった。
一般的な副作用は多毛症 (93%) と足の浮腫 (10%) であった。 重篤な心血管系の有害事象および異常な臨床検査値は認められなかった。

経口ミノキシジルの安心できる安全性プロファイルは、合計 1404 人の患者 (女性 943 人 [67.2%]、男性 461 人 [32.8%]) における経口ミノキシジルの安全性を評価する大規模な多施設共同研究にも反映されており、平均年齢は 43 歳 (範囲 8-86 歳) です。最も頻度の高い副作用は多毛症 (15.1%) でした。
・全身の副作用には、
・ふらつき (1.7%)、
・体液貯留 (1.3%)、
・頻脈 (0.9%)、
・頭痛 (0.4%)、
・眼窩周囲浮腫 (0.3%)、
・不眠症 (0.2%) が含まれ、29 人の患者 (1.2%) が薬剤の投与を中止しました。
生命を脅かす副作用は観察されませんでした(140)。

臨床症状

AGAの臨床的外観は、ほとんどの場合は即座に認識できます。

脱毛の進行は規則的に起こり、ハミルトン(1)とノーウッド(118)によって詳しく文書化されています(図 8 ) 。
これらの著者は、男性型脱毛症の修正グレーディングスケールを使用しています 。
影響を受けた毛は小型化し、毛髪密度が低下します。硬毛が軟毛に徐々に置き換わると、影響を受けた領域の毛髪密度が全体的に低下し、完全な脱毛の前兆となります。

男性のアンドロゲン性脱毛症は、通常、両側頭皮の後退と頭頂部の脱毛(男性型脱毛症)を呈します。

■女性のうすげ・脱毛症のの分類がいろいろ試みられていますが、なかなか多くの医師が納得できる分類はできていないようです■

頭皮は一般的に正常で、抜け毛が増える時期には、検査で陽性の「毛抜き」反応が伴うことがあります。
毛抜き反応が陽性の場合、頭皮から毛が簡単に抜けます。■こう書かれていますが・・・経験的にはホントかな?と思います。日本人の場合にはそこまでそこまで簡単に抜ける人は多くないと経験的には思います。 診察した患者さまの数としてはおそらく1万人近くになっている(もしかしたら1万人超えてる?)はずです■

管理

薄毛の男性には、いくつかの選択肢があります。

まず、この症状は命にかかわるものではなく、罹患率もさまざまであるため、治療せずに自然に薄毛が進行するのを待つのが妥当な選択肢です。■妥当かどうか?はご本人が決める事ですが・・・薄毛を全く気にされない方もおられます■実際、男性の大多数はこれを選んでいます。 ■選んでいるというより、費用の問題が主に薄毛の治療を選択できない方がかなり多いとう印象■

薬物療法を始める前に、治療結果に関する患者の期待が達成可能かどうかを確認することが非常に重要です。 患者は、早期治療の利点と長期治療の必要性についても教育を受ける必要があります。■一般的な広告の改善の画像等はすこし問題がある場合があると思います。 画像に変化が本当にあるのは6ヶ月は経過しないと変化を確認できない事が多いのが事実だと思います。 髪型の変化や、ひどいと全く別モノか、画像を加工したのでは?と思えるものも時にあります。 1ヶ月に延びる髪の長さは長い方でも1.5cm位です。 薄毛の方はおそらくあまり生えない方に分類される可能性が高いです。 その場合1ヶ月に1cm位ではないでしょうか? しかも生え始めは細いのです。 わかりますね?■

迷彩とウィッグ

カモフラージュは、軽度の AGAに対処する最もシンプルで簡単な方法です。
ヘア スタイリングを変えて薄毛の頭皮をカバーしたり、静電気で固定された小さな繊維を追加したり、頭皮を髪と同じ色に染めたりすることは、美容的に満足できる結果を達成できる重要かつ安価な対策です。
■AGAに特化した美容室の方と知り合いになりました。技術的には特殊なものが必要だと理解しました。 おそらくある程度のトレーニングは必要のようです。 美容室の方はあまりAGAには興味がないのかも、しれません。 AGAの方のカット等は大変かもです(自分は美容師ではないので詳細不明です)