円形脱毛症の急性期
クリニックや一般病院などの皮膚科で頭皮に拡大スコープをあて、診断する皮膚科の先生は多くはないと思います。ほとんどスコープを当てないと思います。
当てると時間がかかりすぎるから・・・というのも一つの理由だと予想します。 丁寧の診察すると一人に30分はかかってしましますので。
円形脱毛症の急性期だと治療の方針がある程度決まってきます。 特徴的な画像がありますので、今回は提示します。 患者様には了承を得ています。
最近のスマホの画像はとても良いです。 ピントがしっかりあっていれば画像を拡大すると以下の画像と同じとは言えませんが、似たような状態は観察できる場合もあります。

上記頭皮の画像には円形脱毛症の急性期の画像があります。 どれでしょうか?

急性期は黒点が円形脱毛症の診断には重要な所見です。赤い→の先の黒い点?のようなもの。
→の黒点を詳しく解説すると、髪が折れてなくなって、黒い点のように見えています。
つまり髪の毛は抜けているのではなく「折れている」のです。
円形脱毛症は「脱毛症」の単語が病名に入りますが・・・実際には抜けているのではなく、頭皮のところで毛が折れてなくなっている・・・という状態だと思います。 そしてその折れた跡が黒い点「黒点」になります。 円形脱毛症の急性期の特徴的な画像と言えます。 この黒点と円形の脱毛斑がある場合は円形脱毛症の確率は総統高いことになります。
さらに教科書的にビックリマークのような「!」!の下の点がない状態。 自分の患者さんの画像もあるのですが、この写真の患者様の画像にはないのでこのページにはのせませんが。 漸減毛(ぜんげんもう)があるとほぼ確定となります。 手書きで申し訳ございません。

上記の画像も特別なものではなく、アイフォンの画像をソフトで拡大しただけです。 ピントがしっかりあっていれば、かなりきれいにわかります。
頭皮より下の場合には周りの組織から守られている感じです。 毛のまわりの状態はしっかりつまっていて、毛自体は揺れない(折れにくい)状態です。 しかし、頭皮から上は髪の毛は極端に言うと360度自由になります。 もし毛自体がもろいと動かされると毛自体が折れるという現象につながります。

すこし拡大を弱くしました。 若干わかりにくいかもしれません。 赤→を付けました。

赤→がついている黒い毛 これは毛が切れた後に少し伸びています。だから少し長さがあります。
場合によっては少し頭皮から離れた部位から折れた、という場合もあります。 この場合は長さが同じ位なので頭皮の部分でおれてその後、伸びた・・・という事も考えられると自分は感じます。
新しい髪が出てきたいる場合は古い髪は伸びて抜ける・・・といパターンをとる場合が多いです。
病態がまだ収まっていない場合は漸減毛になる場合もあります。 画像がこの写真にはなかったので言葉で説明すると根本の方が細い状態になります。
以下のような毛がある、という事です。

太さに大きな変化がない場合は下から新しい髪の毛が生えようとしている手前の状態・・・とも予想されます。
以上のような病態の場合は治療の選択肢として、ステロイドの局注が保険的には適応だと思います。 脱毛斑がたくさんある場合はステロイドの使用量には限界があるので幹細胞上清液・PRP(多血小板血漿)の適応となりえます。
頭皮注射(メソセラピー)をする場合に機械式だと瞬時に針の長さ(注入の深さ)の変更はできませんが、手打ちメソセラピーなら薬液の量・注入速度・針の深さなどを瞬時に調整が可能になります。(国領きとうクリニックではメソセラピーは手打ちです)