卵アレルギーについてのコメントです。 子供と大人ではちょっと違うかもしれません。
卵は栄養学的には完璧な食材と言えます。 プロテインスコアが100点です。
「卵はいくら食べても良いです」と書かれている栄養関係の本が結構あります。
●小さな子供
手の平(手掌)だけが赤い場合、卵のアレルギーの可能性があります。
ひどい湿疹の方、特に女性の方が多い印象です。
いわゆる「主婦湿疹」は卵が関係している場合が多い印象です。
実際にあったお話しですが・・・ひどい手湿疹の中年の女性でした。
かなりひどい湿疹で、手の平だけの赤味が強い湿疹でした。
卵は毎日3個位は食べているそうでした。
中年の女性ですので 子供とは違うかも、と思いましたが完全にやめてみたらとお話しました。
そして強力なステロイド外用剤を使用したところ・・・1週間でほとんどきれいになっていました。
本人もビックリしていましたが、自分もかなり驚きました。
実は強力なステロイド外用剤を使用する事がアトピー性皮膚炎の改善のコツで、短期間だけ使用してほぼ改善したらステロイドを塗らない状態をなるべく保つ、が自分の考え方です。
●そしてここからが 重要です。
発赤が「かゆみ」を伴って出現した場合に、発赤した部位を中心にその付近だけに強力なステロド外用剤を塗ることです。 ★全体に塗っては健常部につねにステロイドを塗っていることになります。
悪い部分を中心に丁寧にステロイドを塗る・・・これが重要です。
が・・・対応するのはかなり手間がかかります。
忙しいお母さまは大変かもしれません。忙しい大人も大変でしょう。
この手間をしっかりかけることが重要です。
ステロイドの塗り薬の量はおよその目安があります。
※軟膏の塗布量は、1FTU(ワンフィンガーチップユニット)という目安があり、人差し指の先から第1関節の長さまでチューブに入った塗り薬(約0.5g)を出した量を言います。 1FTUで、成人の手のひらの面積2枚分に塗るのが、適正な量となっています。
・・・が、これは外国のチューブを基準にしています。
外国の場合はチューブが大きいそうで、5gでなくもっと大きいそうです(大きさからすると10g?)。
日本のステロイドチューブは5gがほとんどなので実際には量が少な目になってしまっています。
★とある皮膚科専門医の高名な先生は、ティッシュペーパーがくっつく位に塗る、という具体的なお話しでした。
そして強力なステロイドを塗るから悪くなるのではなく、弱いステロイドでも長く塗るから副作用がでる場合が多い、という事もその医師は言われていました。
ステロイド以外の免疫抑制等の開発、使用が今ははやりです。
確かに効果がある程度確認されています。
ただし免疫抑制剤の類は高額なのと、投薬をやめればまた前の状態に戻ってしまいます。
もひとつ副作用が出現した場合にかなり重症の症状が発現する可能性があるという事が一番気になるところです。
大きくなる(成人になる)とアレルギーの耐用性が上昇し(アレルギーに強くなる)湿疹は軽減する事が多いです。
自分は副作用が強い薬は避ける傾向にあります(初めから使用しない)。
基本的に薬を使用するなら、大きな副作用がない薬をなるべく選択します。
副作用があるけれどどうしても使用しなければならない、つまり選択肢がない場合だけに限って使用する。
・・・これが院長・木藤の基本方針になります。
「国領きとうクリニック」では基本的に免疫抑制剤(免疫の調整等が必要な薬の類)は使用しない方針です。
院長の木藤は実際に使用した事がないのも事実です。
ほとんどが免疫系の薬が実際にはほとんど不要だったから、という理由が一つ。(自分がアトピー性皮膚炎をメインにしていた頃は副作用がひどい免疫関係の薬しかありませんでした)
最近開発された免疫系の薬はそこまで副作用の頻度も多くなく、今の時代なら使用する事は許容範囲だと思います。
ただ自分は食事療法を中心にいろいろやってきて、以前から免疫系の薬は必要なかった(ステロイド外用剤だけで治っていた)というのが実際のところです。
もちろんものすごく重症な「アトピー性皮膚炎」に関しては免疫抑制剤の類は必要な患者さんがおられると思います。
自分は薬剤の副作用はかなり気になります。 基本的には副作用があまり大きくない方法を取りたいものです。