この文献はブラジルのお話です。

注意:きわめて重要なので大きな字になります。
非承認薬剤である場合、適応外使用である(保険で認められた以外への使用)場合、副作用・合併症が発生した場合には 保険適用になりません、と厚労省は明記する事を指示しました。

正式には公的保険が使用できず、医療費が自費になる可能性が高いです。

【参考】https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10334345/

2023年7月~8月。98(4): 506–519。

上記の英文をグーグル翻訳したものを記載し、コメントをわかるようにつけています。

一般の方が読んでも役に立つように印を付けてコメントを追記しております。 ご参考になれば幸いです。

ブラジルからの報告です。
女性の薄毛に関するまとまった資料はあまりありませんので参考までに 翻訳して 日本の実情にあるように改変していきます。 

抜粋

女性の男性型脱毛症または女性型脱毛症 (FPHL) は非常に蔓延しており、生活の質に大きな影響を与えています。

多くの治療選択肢には証拠レベルが限られており、患者の期待に応えられないことが多いため、この治療は皮膚科診療において日常的な課題となっています。

毛髪の小型化プロセスの病因や毛包の形態形成を調節する因子に関する知識が不足しているため、革新的な治療法の可能性が制限されています。

また、客観的な結果を使用し、利用可能な治療法とその組み合わせの性能を調査する、長期的な追跡調査を伴うランダム化対照研究も不足しています。

1990年代から女性型脱毛症の治療に使用されてきた局所ミノキシジルは、高いレベルの証拠があり、依然として第一選択である唯一の薬です。

しかし、女性患者の約 40% はこの治療では改善が見られません

はじめに

女性型脱毛症 (FPHL) または女性男性型脱毛症 (AGA) は、主に頭皮の中央頭頂部における毛包の進行性の小型化と毛髪密度の減少を特徴とします。

ブラジル人を対象に実施された最近の疫学研究では、成人女性の全体的な FPHL 有病率は 32.3% であり、年齢とともに増加します: 8% (20 ~ 29 歳) から 68 % ( 60~75歳)。

FPHL の重症度は、座りがちなライフスタイル、全身性動脈高血圧、都市部での生活と関連しています。

FPHL の病因はまだ完全には解明されていません。 

FPHLに対してはすでにいくつかの治療法が提案されているが、最近のメタアナリシスでは(多くの論文で科学的に適正にコメントする方法)、十分なレベルの証拠が蓄積されたのは局所ミノキシジルのみである。

この研究の目的は、FPHLの主な代替治療法を説明および議論すること、さらにはより広範な症例または無反応の症例に使用できるカモフラージュ方法を説明することです。

臨床治療

局所ミノキシジル

ミノキシジルは、高血圧の治療に当初は経口的に使用されていた血管拡張剤です。1979 年にこの目的で米国食品医薬品局 (FDA) によって承認されました。ミノキシジルは ATP 感受性カリウム チャネル (K + ATP チャネル) を活性化し、過分極、K ++イオンの流出、血管平滑筋の弛緩を引き起こします。

高血圧の治療に使用すると、患者の約 80% が多毛症を発症します。1980 年に男性の AGA の改善に効果的であると報告されました。  AGA治療におけるミノキシジルの作用機序はまだ完全には解明されていません。

女性を対象とした局所ミノキシジルの臨床研究のほとんどは、2% 溶液を 1 日 2 回塗布して実施されています。これらの研究のメタアナリシスでは、24週間の治療後にプラセボと比較した場合、2%ミノキシジル群では平均12.4本の毛髪/cm 2の差が示されました。5% ミノキシジル溶液を 1 日 2 回使用し、5% ミノキシジルフォームを 1 日 1 回使用した場合、2% 溶液を 1 日 2 回塗布した場合と比べて、反応に有意な差は見られませんでした。

■院長コメント 結論的に言うと 2%を1日2回か 5%を1日一回かの使用に落ち着くと思います。 多く誤解がありそうなのであえて記載します。 濃い方が確かに発毛の程度は強くなるのですが、比例しません。

例えば5%の3倍濃い ミノキシジル15%を使用すると3倍発毛するか? というとそんなことはありません。 それよりも副作用がかなり増加する事がわかっています。 副作用はアレルギーが絡むことが大変多いです。 もしアレルギーの場合は一旦ミノキシジル使用を中止して落ち着いてから、ミノキシジルの再開を行ってもまた副作用(炎症その他が多いのですが) 発生する可能が高いです。 少なくとも短期間の間にはミノキシジルの再使用が難しくなる可能性が極めて高いです。 これは治療的にはかなりマイナスです。 

こんな事はありまり専門サイトにも書いてないし アフリエイターの方の記事にも書かれていません。 十分に注意して、よく検討して使用してください。 経験的には5%で生える方は生えます。 断言します。

もちろん15%にしたら生えた、という方がおられるのは事実です。 ですがかぶれの頻度がかなり多いので肌が弱い方、デリケートな方は高濃度のミノキシジル外用剤はさける事をおすすめします。

5%でうまく生えない方はかなり濃くしても十分には発毛する可能性は高くはないです。 この場合は注意して少量からのミノキシジルの内服を検討する事が一手段となります。 ご参考になれば幸いです。

ちなみに一番副作用が少なく、効果が高そうなの濃度はデータ上 6~7%のミノキシジル外用(塗り薬)です。 この情報は有料級ですよ。

日本ではミノキシジルは 1%と5% 溶液としてのみ販売されています。厚労省は1%は女性で認可しています。

FPHL(女性の薄毛) の治療には 2% ミノキシジルを 1 日 2 回投与するよりも 5% ミノキシジルを 1 日 1 回投与することが好ましいです。 ただしかぶれなかった場合です。 はじめは1%で大丈夫か?確認後濃いものへ変更をおすすめします。

【図1】https://www.ncbi.nlm.nih.gov/core/lw/2.0/html/tileshop_pmc/tileshop_pmc_inline.html?title=Click%20on%20image%20to%20zoom&p=PMC3&id=10334345_gr1.jpg

局所ミノキシジルの最も一般的な副作用は、顔面領域の多毛症と、そう痒症、灼熱感、紅斑、丘疹、または膿疱などの頭皮の局所反応です。

これらの症状の頻度は、ミノキシジルの濃度と媒体の種類に依存します。

ミノキシジルは接触皮膚炎を引き起こす可能性がありますが、この症状を最も頻繁に引き起こす活性剤はプロピレングリコールであり、このような場合、プロピレングリコールを含まない局所ミノキシジルに変更すると症状は解消されます。以前調べた時は数社でありましたが、変更された可能性もあるようです。

局所ミノキシジルを使用している患者の約 18% は、治療の最初の数週間で脱毛の一時的な増加 (抜け毛) を経験します。これは休止期の短縮によって起こります。

コメント:この現象は初期脱毛といわれることがあります。 タイミングにもよりますが、初期脱毛が実際に起きた場合は下に新しく発毛しようとする毛がある・・・つまり発毛の薬が効いている、という事になると思います。

治療の最初の効果は4~6か月後に現れますが、それを維持するにはミノキシジルを無期限に継続する必要があります。副作用に加えて、髪質の変化やスタイリングの難しさなどにより、結果が不十分だと感じられたり、局所治療の毎日の使用に問題が生じたりした場合は、早期に中止する場合があります。

局所ミノキシジルは、FPHL の治療において最も高いレベルの証拠を持つ治療法であり、長期間使用されていますが、依然として第一選択治療です。

経口ミノキシジル

局所ミノキシジル(塗り薬のミノキシジル) は FPHL の治療に効果的ですが、それを使用した患者の 30 ~ 60% には改善が見られません。

副作用のない患者であっても、局所治療の遵守が問題となる場合があります。  FPHLに対する経口ミノキシジルの使用は、局所適用と比較した場合に利便性が高いため、効力を高め、治療へのアドヒアランスを向上させることを目的としています。

FPHL の治療に経口ミノキシジルを使用する場合の主な制限は、副作用が発生する可能性があることです。動脈性高血圧症の治療に 10 ~ 40 mg/日の用量で使用した場合、主な副作用は頻脈、浮腫、および多毛症です。

FPHL治療のための経口ミノキシジルに関する最初の研究は、2018年にSinclairによって発表されました。

0.25mgとスピロノラクトン25mg/日の用量で使用した100人の患者の前向き評価であった。この研究は規模の改善を報告しました。

そして脱毛中72人の患者を含むイランの研究では、FPHLにおいて同じ用量の0.25mg/日の経口ミノキシジルと2%の局所ミノキシジルを比較しました。 両方のグループで毛髪密度と毛幹の太さの改善が観察され、それらの間に差はありませんでした。

2019年にラモスらは、FPHLのブラジル人女性52名を対象に、経口ミノキシジル1mg/日と1日1回5%局所ミノキシジルを比較する非盲検ランダム化臨床試験を発表した。

両グループとも毛髪密度と写真評価に改善が見られ、差はありませんでした。

しかし、局所投与群と比較して経口ミノキシジル群が優位性を示す傾向があり、これはおそらくより大規模なサンプルでよりよく実証された可能性があります。

【図2】https://www.ncbi.nlm.nih.gov/core/lw/2.0/html/tileshop_pmc/tileshop_pmc_inline.html?title=Click%20on%20image%20to%20zoom&p=PMC3&id=10334345_gr2.jpg

経口ミノキシジル 1 mg/日を使用した FPHL 患者の臨床改善。(A) 治療前。(B) 6 か月の治療後。

経口ミノキシジルの臨床効果はその用量と相関があるようです。

コメント:ミノキシジルは増やせば確かに発毛量は多くなると経験的に感じます。 ですが、副作用もかなり増える印象です。 動悸・むくみ・めまい等が多いので副作用が出現した場合は速やかに対応を考えて中止の検討もすべきと考えます。 アメリカ、日本の専門医の意見の総合的な数量は5mgまでにしていた方が良い・・・だと思います。

Silvaらは、30人のFPHL患者を対象とした無作為化二重盲検臨床試験で、研究者らは、経口ミノキシジル 1 mg が毎日 0.25 mg の経口ミノキシジルよりも優れていることを発見しました。最初の研究では、経口ミノキシジル 1 mg を使用した患者は、20.1 本/cm 2の毛髪密度の増加を示し、2 番目の研究では 27 本/cm 2の毛髪密度の増加を示しました。

毎日最大 2.5 mg の経口ミノキシジルを使用する個人の事例報告があるにもかかわらず、FPHL の女性が毎日 2 mg を超える経口ミノキシジルを使用する一連の発表はありません。 報告はないですが、経験的に飲んでいる方はおられるのは事実でしょう。

最近、毛包へのミノキシジルのバイオアベイラビリティを改善し、心臓血管への悪影響の可能性を最小限に抑えるために、経口経路の代替として舌下経路が提案されています。 2 つの投与経路間の比較研究はまだ行われていません。

最近の研究で、AGAの男性220名と女性215名を対象に経口ミノキシジルの副作用が評価されました。

■女性で最も頻繁にみられた副作用は、

  • 多毛症 (54%)
  • 頭痛 (10%)
  • 下肢浮腫 (9%)
  • めまい (7%)
  • 不眠症 (7%)
  • 動悸 (4%)    

でした。  女性患者の 44 パーセントが、治療開始時に一時的に脱毛が増加しました。頻度は高いものの、副作用は軽度で忍容性が高く、治療を中止した患者はわずか 13% でした。

■院長コメント★13%はわずかという数値ではありません。 中止するほどの副作用の数値としては異常に高いです。

AGAに対する経口ミノキシジルの使用では、その強力な降圧効果にもかかわらず、正常血圧の人には降圧効果がほとんどないため、低血圧のエピソードはまれです。

■院長コメント:低血圧は実際には結構起きています。 はっきり言うとほとんどの方が前の血圧を測っていないし、クリニックでの血圧は通常の血圧より高くなっています。 めまい、動悸はおそらく血圧の影響だと予想します。

近年、男性でも女性でも、AGAの治療に経口ミノキシジルが使用されることが多くなってきています。この急速な増加は、ミノキシジルが簡単に使用でき、良好な服薬遵守を示していること、および良好な臨床結果が認識されているという事実によるものです。ーーー■コメント:これはブラジルではのお話なので、日本は状況が少し違うと思います。日本は公的保険がほぼ完備されている状態ですが、ミノキシジルの服薬は適応外使用・未承認薬の使用となりますので、副作用・合併症が発生した場合には公的保険を使用した医療は認められない、という状況です。 あまり簡単には考えない方がよいと思います。

人気が急速に高まっているので、さまざまな用量とその結果を従来の局所療法と比較する大規模な臨床試験が依然として必要です。

5α-リダクターゼ阻害剤

テストステロンの作用、および主に、5 α - レダクターゼ (5 α R) 酵素の作用によって生成されるその代謝物であるジヒドロテストステロン (DHT) の作用は、人間の AGA の発症と進化において重要です。

AGAの病態生理学におけるアンドロゲンの関与を示す証拠は男性でのみ明確に証明されているが、アンドロゲンは女性でも役割を果たしていると考えられています。■院長コメント:しかし臨床研究では差が出なかったようです。フィナステリド1mgでは

男性のAGAの治療における5αR阻害剤(フィナステリドおよびデュタステリド)の有効性は、その生理病因におけるDHTの重要性を裏付けています。しかし、フィナステリド 1 mg/日 (男性 AGA 治療の標準用量) は、閉経後の女性の FPHL の治療には効果がありません。 増量すれば効果はでるようですが、仮に妊娠したりするとかなり奇形児が発生する可能性があります。 ものすごく注意:■院長コメント

非対照前向き研究では、37 人の患者がフィナステリド 2.5 mg/日を 12 か月間使用しました。23 人の患者 (62%) が写真による評価で改善を示し、12 人 (32%) が毛髪密度スコアの改善を示しました。

注意:重要なので大きな字になります。
諸外国の報告になる事と非承認薬剤である事、適応外使用であることなど、この場合に副作用が発生した場合には 保険適用になりません。
医療費が自費になります。

ものすごく重要なので大きな字です。
女性でフィナステリド・デュタステリドを使用してかりに妊娠した場合、かなりの頻度で男児は問題が起こり得ます。 とくにデュタステリドは半減期が長く 中止しても効果はすぐには少なくとも数か月は効能が持続します。
使用中に妊娠した場合は胎児の男性器の発達が抑えられます(分かりやすく言うとペニスが大きくならない) もっとひどいと尿道下裂が発生する可能性が動物実験から予想されます。
●自分は閉経しているから大丈夫・・・ではない事があります。
生理がなくても排卵している場合がある・・・という事です。 
最高妊娠年齢の報告は60歳だったと思います。
閉経後だから避妊していない・・・という場合に、妊娠してしまう場合もありえます。 極めてマレな状況もすべて考慮にいれて薬の販売・管理等はおこなわれないといけません。 自己責任という事は極めて大変・重大な事を再度記載します。

別の前向き非対照研究では、87 人の女性を対象にフィナステリドを 5 mg の用量で評価しました。(アメリカでも前立腺肥大症などで5mgの使用法があります)

1 年間の治療後、患者の 81% が写真評価で改善を示し、毛髪密度が 17 本/cm 2 増加しています。

女性を対象に 2.5 ~ 5 mg/日の範囲のフィナステリドの用量を評価するランダム化臨床試験はまだ実施されていません。

★フィナステリド・デュタステリドは女性に使用する場合は 間違っても妊娠しないようにする必要があります。 さらに経皮吸収されるので、この点も注意が必要です。 女性が妊娠に気づいた時にはすでに男の子だった場合には男性器の発育不全が起こっている可能性があります。 さらに動物実験からすると 尿道下裂という奇形が発生する可能性があります。 これは見たこともない人がほとんどでしょうし、医師でさえ全員みたことはないでしょう・・・。 が、発生した本人はどれだけ大変でしょうか? よく考えてフィナステリド・デュタステリドの女性への投与を検討してください。

フィナステリドは 2 型 5αR 阻害剤であり、1 mg/日の用量で血清 DHT レベルが約 70% 減少します。

デュタステリドは 5αR タイプ 1 および 2 を阻害し、0.5 mg/日の用量で DHT レベルを約 90% 減少させます。デュタステリドはその効力が大きいため、興味深い代替品になる可能性がありますが、FPHLでの使用を裏付ける証拠はまだ不足しています。

院長・木藤コメント:ある程度の少数の実施例の報告はあります。

5αR阻害剤に対する女性の反応が低いのは、おそらくFPHLの病態生理学における非ホルモン機構の関与が原因で発生していると考えられますが、これはまだ完全には理解されていません。

作者コメント 閉経後の女性に関しては 十分量を使用すれば効果がある程度でている文献がかなりあります。 有経(生理がある時期)の女性では有効性は確認されていないと思います。

フィナステリド 1 mg/日とデュタステリド 0.5 mg/日は、ブラジルでは男性型 AGA の治療薬としてのみ添付文書に適応されています。
■院長コメントデュタステリドはAGAの治療薬となっているのか?は?です。

女性への使用は適応外であり、催奇形性(男児の女性化)の可能性があるため、出産可能年齢の女性には注意して使用する必要があります。

製作者コメント:年齢では決めない方が良い事は他部位に記載しております。 注意深くプリントアウトして読まれる事をおすすめします。 全文読まないと不利益が生じる場合があるので注意

★経皮吸収(指で触っても吸収してしまう)の薬です。 妊娠中・妊娠可能中の女性には触らせないようにご注意!!

その他の抗アンドロゲン薬

アンドロゲン受容体拮抗薬は、特に患者が高アンドロゲン症の兆候を示している場合に、FPHL の治療に頻繁に使用されます。これらの薬剤は日常的に使用されているにもかかわらず、これらの薬剤の使用を裏付ける質の高い証拠はまだなく、ミノキシジル(経口または局所)と関連したそれらの性能は不明のままです。

スピロノラクトン

これはカリウム保持性利尿薬であり、アルドステロン受容体およびアンドロゲン核内受容体 (NR3C4) の拮抗薬です。

FPHL の治療に使用される用量は 25 ~ 200 mg/日の範囲です。公開前向き研究では、40人の女性にスピロノラクトン200mg/日、患者の 44% が治療による改善を示しました。

作者コメント:日本人で200mg のスピロノラクトンを服用すると血圧がかなり下がってしまうのではないか? と心配します。  日本の食事は海外の食事と比較すると塩分がかなり多いと思います。  塩分が多くないと血圧に大差はないと予想しますが、塩分が多い日本人には利尿剤の血圧変動はかなり多いと経験的に予想されます。 特に汗が出る時期はかなり血圧が低下する可能性が高いので注意が必要です(これも自己責任です。今、院長・木藤はスピロノラクトンは処方しません。かつて勤務していた時も処方する場合は25mgまでです。それ以上はそれなりのリスクがあります。なにかあったら・・・具体的にはふらつき、めまい、失神等が起こってケガなどが発生しえます。 使用は自己責任となります。院長・木藤は今は処方しません。

作者は情報として提供しますが、推奨は一切しておりません。責任は一斉とれません。すべてが自己責任です

最も頻繁に起こる副作用は、疲労、乳房痛、月経不順、低血圧です。

スピロノラクトンを服用している患者では高カリウム血症が懸念されます。

しかし、スピロノラクトンを服用している974人の健康な女性を対象とした後ろ向き研究では、この集団では治療開始後に高カリウム血症の頻度が増加していないことがわかりました。

■院長コメント:腎機能が正常な場合には大きな心配はいりませんが、腎機能に問題がある場合は大丈夫、と断言できません。注意が必要です。 とくに汗がたくさんでたり、飲水ができず脱水状況の場合には腎機能が低下している場合があり注意が必要です。 いつもと違う可能性があるという事です。

系統的レビューでは、スピロノラクトンの使用と乳がんの増加との間に関連性は見出されませんでした。

シプロテロン

この薬剤の使用は日本では一般的ではないので項目すべてを省きます。

フルタミド

この薬剤の使用は日本では一般的ではないので項目すべてを省きます。

アルファエストラジオール

この薬剤の使用は日本では一般的ではないので項目すべてを省きます。

プロスタグランジン類似体

この薬剤の使用は日本では一般的ではないので項目すべてを省きます。

栄養補助食品 ●きわめて重要です

微量栄養素は、毛包の発達と免疫細胞の機能に作用することにより、脱毛症において重要な役割を果たしています。

ノコギリヤシ、カフェイン、メラトニン、海洋抽出物ローズマリー油、プロシアニジン、カボチャ種子油、カンナビジオール油などのいくつかのビタミンサプリメントや天然物が、AGAや休止期脱毛症の治療に使用されることが報告されています。 ●院長・コメントノコギリヤシ、ローズマリー油は明らかなデータがあったと思います。 海洋抽出物は一番わかりやすいのは海藻ですが、ミネラルが豊富なのは自明です。

非瘢痕性脱毛症(■追加コメント:AGAとか、FAGAなど)の患者では、健康な人々と比較して、ビタミンDフェリチンの血清レベルが低いことが観察されています。これらの物質の補給による FPHL の改善の証拠はまだありません。●院長コメント:ビタミンDとフェリチンのレベルと薄毛の問題はデータがたくさんあります。が 補充したら発毛に有意差がでた・・・という研究がない、という事だと思います。 発毛のサイクルから言うと研究自体が難しいかもしれません。

また、健康なFPHL患者におけるビオチン利点を示す証拠はありません。●院長コメント:ですが、不足している動物には明らかに有効だという資料は見たことがあります。

●理論的、経験的にビタミンCは髪のコラーゲンが生成される時に必要です。 ビタミンCもある程度の補充は極めて重要です。

手順

メソセラピー

複数回の注射によって患部に直接送達される活性薬剤には、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリド、成長因子、パンテノール、ビオチン、ステロイドなど、他の投与経路ですでに使用されている分子が含まれています。●フィナステリド,デュタステリドの注射(メソセラピー)に関しては今まで院長・木藤は聞いた事がない気がします(2024-10-10記載) ぬり薬は海外では発売されていたと思います。追加コメント:報告が散見します。(2024-10-23記載)

ユゼルらは、滅菌 0.5% ミノキシジル溶液の皮内注射と 0.9% 生理食塩水の注射を比較する臨床試験を実施しました。54 人の患者が 2 つのグループに分けられ、10 週間にわたって毎週申請を受けました。治療グループでは、硬毛と軟毛の比率が増加しました (p < 0.001)。ただし、治療グループの密度の増加は、プラセボグループの密度の増加よりも統計的に大きくありませんでした (p = 0.54)。●院長コメントあまり言われていませんが,自分の経験からすると「ミノキシジル」の局注はしなくてもよい印象です。あくまで自分の経験からです。「 飲めれば頭皮注射(メソセラピー)でミノキシジルを使用しなくても大丈夫では?」が院長・木藤の意見です。国領きとうクリニックではミノキシジルの局注はメニューにありません。もちろん生えにく方には適応があると思いますが・・・

比較研究では、FPHL の女性 126 人を 2 つのグループに分けて評価しました。最初のグループにはビオチン、パンテノール、ピリドキシンを含む 0.05% デュタステリドの注射を受け、二番目のグループには生理食塩水を投与しました。患者は18週間の間隔で12回の注射を受けた。写真による評価では、治療群の患者の 62.8%、対照群の患者の 17.5% で改善が観察されました (p < 0.05)。

●デュタステリドの注射と記載されてますが・・・知りませんでした。文献的にこの文献が初めて自分の認知として。ーーー文献が散見される事を確認しました。(院長)

浸潤の毎週の頻度と不快感により、一部の患者のメソセラピー治療への遵守が制限される可能性があります。代替手段の 1 つは、半減期が長いため、デュタステリド皮内注射を四半期ごとに使用することですが、この治療法の効果を評価するには対照研究が依然として必要です。
●半減期は確かに長いので効果はあるのでしょうが・・・副作用が起きた時が半減期が長いと困るんです。特に肝機能障害が起こった時は厄介です。 自分の場合は肥満の方、体重が増えている方にはかなし慎重になります

メソセラピーに関する主な批判は、適用形式、使用される有効成分、およびセッションの頻度に関する標準化の欠如に関するものです。痛みは、この補完的な治療法の限界となる可能性があります。頭皮メソセラピーを受ける患者の痛みを軽減するために、振動麻酔装置などの非薬理学的オプションは、安全で効果的で取り扱いが簡単であると考えられ、適用部位で触覚を妨げ、したがって処置中の快適さを提供します。
●振動麻酔装置? 初めて聞きました。効果が本当にあるのか?は実験をしてみないと分からないと思います。

穿刺による局所的な痛みや軽度の頭痛に加えて、持続性浮腫、微生物感染、蕁麻疹、皮膚壊死、脂肪織炎、無色症、瘢痕性脱毛症などの合併症もすでに報告されています。しかし、これらの副作用の一部は、メソセラピーそのものよりも、不適切な臨床適応、不適切な無菌処理、非滅菌材料の使用、さらには非医療専門家による処置の実施に関連していることが多いと考えられています。
★このような副作用はしっかり基本を守った処置をしていれば起こる事はまずないと思います。
衛生概念が日本と海外ではかなり違う可能性もあると思います。
■■海外でも活躍していた有名な髪の専門医の先生の情報によると医療従事者でない人が外国では植毛、メソセラピーなどに関与しているようです。 清潔観念に関してはドクターでも「えっ」という人も中にはいます。 看護師さんも人によってはいろいろです。普通の人だとますます差があります。 ★自分も気を付けます。(かなり清潔な方だと自分では思っているのですが・・・)

メソセラピー混合物における合成成長因子の使用には特別な注意を払う必要があります。その使用を裏付ける文献は非常に少なく、休止期脱毛症の治療法として成長因子を注射した後に黒色腫が発生したという報告もあります。

別の報告された合併症は、AGAのメソセラピー後の一時的な前頭浮腫でした。著者らは、浮腫と処方成分の 1 つである注射用リドカインの使用との相関関係を調べており、注射量の多さがこの副作用に関係しているとしています。すべての患者は、冷却パックのみを使用して 1 ~ 4 日後に良好な結果をもたらしました。

■メソセラピー研究会という会に自分も属していますが、薬剤等を混合する時にはpHがかなり重要なようです。 この検証をしないと安全かどうかがわかりません。 なるべく混ぜない事が重要だと感じます。あとは新しい方法は実際に行う時にはかな慎重に徐々に行う必要があると考えます。


●黒色腫の発生に関しては初めてしりました。 成長因子は悪いものも同じように大きくなりますので,何もないのに成長因子をたくさん使用するのは賢い選択ではないと考えています。すくなくとも自分にとって,「よくない何か」を改善させる可能性がとても大きい事が条件ではないでしょうか?

メソセラピーはFPHL治療のアジュバントオプション(追加オプション)と考えることができますが、有効成分、その濃度、適用の周期性、および必要なセッション数を標準化するにはさらなる研究が必要です。侵襲性は最小限ですが、前述の合併症を防ぐために、手順に沿った無菌規制に従って、臨床および薬理学的な経験を持つ医療専門家によって実行されることが不可欠です。
●頭皮注射(メソセラピー)と行う場合には,衛生的にしっかり対応すれば大きな問題は起きにくい,のが事実だと予想します。少なくとも日本、自分がする場合には問題は起こらないと予想します、3万回以上刺してますが・・・

FPHLの治療におけるミノキシジル(経口または局所)と他の抗アンドロゲン薬との併用による注射処置の性能は不明です。最後に、有効成分はこの投与経路に対して FDA または ANVISA によって承認されていないという事実に加え、滅菌に疑問のある製品が含まれています。■成長因子・エクソソームの類は怪しいものがたくさん出回っていましたが、厚労省が取り締まりを厳しくする旨通達をだしたあと、撤退する業者が続出したようです。

マイクロニードル・・・この領域は日本ではダーマペン、もしくは水光注射で行われるべき内容と思います。ので以下のコメントは省きます。

マイクロニードリングは、皮膚にマイクロチャネルを作成する反復的な皮膚穿刺に滅菌マイクロニードルを使用する、低侵襲技術です。52、61発毛を促進するために提案されている作用機序は、血小板成長因子 (TGF-α、TGF-β、血小板由来および血管内皮由来成長因子) の放出によるもので、その後、血管新生、コラーゲンの増加が起こると考えられます。 、エラスチンの生成、および発毛に関連する遺伝子の発現の刺激。 ●おそらく日本ではマイクロニードルは医療現場では使用されていない,と予想します。ダーマペンなどが一般的だと思います。

麻酔後、無菌領域を確保するために、治療領域を生理食塩水とエタノールで洗浄する必要があります。ペンは貫通速度と深さを調整でき、塗布するたびにデバイスを持ち上げながら直線的に移動する必要があり、1 か所あたり合計 3 回まで塗布できます。

いくつかの研究では、AGAの治療におけるマイクロニードルの良好な結果が指摘されていますが、この治療の利点を示す証拠の質は依然として低いです。公開研究で、Starace et al. 彼らは、 4週間おきに3回のマイクロニードル治療を受けた後、前頭部の毛髪密度が1cm 2あたり19.57本の増加を示したFPHL患者29人を評価した。耐えられる痛みと一過性のリンパ節腫脹が報告されています。

穿刺がバリアを貫通して薬剤を送達するのに十分な深さであるべきか、それとも処置中に損傷が最小限に抑えられ不快感がほとんどないように十分に浅い穿刺であるべきかについては、いくつかの議論があります。0.5 ~ 2.5 mm の針はすでに研究されており、良好な結果が得られています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■院長コメント:多血小板血漿 (PRP)・・・当院は厚労省に申請・認定されPRPの治療はできます。

PRP は、血小板由来成長因子 (PDGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ (TGF-β)、血管内皮増殖などのいくつかの成長因子を放出する、濃縮された自己血小板製剤の頭皮への皮内注射からなる技術です。因子(VEGF)、上皮成長因子(EGF)、およびインスリン様成長因子-1(IGF-1)。これらの成長因子はすべて、毛包単位の成長を担うバルジにある幹細胞を刺激するため、毛周期において重要な役割を果たします。

FPHLの女性を対象としたランダム化対照臨床試験では、月に2回のPRPセッションのプラセボに対する効果を評価しました。この研究では、24か月の追跡調査の後、PRP患者の57%で写真評価に改善がみられたのに対し、生理食塩水を投与された患者では7%の改善が見られたことが判明した。
●生理的食塩すると比較すると差が大きくても当たり前かもです。

最近、AGAに対するPRPを評価する15の臨床試験を含むメタアナリシスでは、毛髪密度が36.8本・cm 2増加したことが報告されました(95% CI 22.6-51.1)。しかし、これらの研究の多くは、サンプルサイズが小さいことと適切な盲検化が不足していることにより限界があります。
●サンプルは多くはないですが,PRPは1回ではなく複数回された方が良いと強く感じます。

PRP は FPHL の管理における有望な補助療法です。しかし、血液の調製、遠心分離レジメン、血小板密度、血小板活性化の必要性、および適用技術に関する標準化はまだありません。最近の総説では、Stevens J. et al . は、次のプロトコールを提案しました:全血の平均濃度の 3 ~ 6 倍の血小板濃縮による 1 回の遠心分離、提案されたセッション間隔は月に 3 回、その後は 1 年に 3 回に 1 回のセッションです。

●院長コメント:PRPを月に3回もするのは日本の場合には少ないかもです。日本では一般的には1ヶ月に1回位だと思います。 はじめから計画的にたくさんPRPを使用する計画で提出している場合は大丈夫だと思います。

最終的な考慮事項

FPHLの治療は、有病率が高く、生活の質に大きな影響を与え、治療選択肢が限られたレベルの証拠で患者の期待に応えられないことが多いため、皮膚科医の診療において日常的な課題となっています。

これは慢性かつ進行性の病気であるため、治療は無期限に継続する必要があります。ただし、ほとんどの臨床試験は最長 1 年間続くことを考えると、長期的な結果に関するデータは不足しています。
●1年以上,長期のデータ経過観察を行う事は簡単ではありません。

一般に、FPHL の軽度の症例は、より広範な症例よりも治療に対する反応性が高くなります。皮膚科診察における定期的な臨床検査とトリコスコープ検査により、特に高アンドロゲン症の人、アンドロゲン薬(スポーツパフォーマンス用のステロイドやアナストロゾールなど)の使用者、家族がいる人などのリスクの高い人において、早期の症例を診断することができます。

FPHL に使用される薬剤、特に抗アンドロゲン剤や 5-α リダクターゼ阻害剤には、妊娠期間中に使用するのに十分な安全性プロファイルはありません。

皮膚科医は付着が問題となる可能性があることを認識し、付着に影響を与える可能性のあるすべての要素に注意を払う必要があります。標準化された臨床写真やダーモスコピー写真による適切なフォローアップは、有効性を評価するだけでなく、患者に治療を継続する動機を与えるためにも重要です。

●女性の薄毛に関しては原因もかなり多岐にわたります。 原因によって当然治療法はかわります。 また皮膚科専門、どこかの教授クラスの先生が発現しておりましたが、学会でも女性の薄毛に関しては定義ができていいない、とみとめておられました。 お困りの患者様に個別に対応していくしかない、というのが現在の状況です。

後半部分は未調整(校正、コメント)が不十分なところがあります。 時間ができ次第調整します、申し訳ございません。

● ようやく全部にコメントいれる事ができました。 2024-10-10

 ●さらにコメント訂正しました。 2024-10-23日