https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40073970 こちらの論文のまとめとコメント

まとめ

低用量の経口ミノキシジル(1日5mg以下)は、男性型脱毛症の有効な適応外治療薬として登場しており、外用ミノキシジルを上回っています。
しかし、最適用量はまだ決定されておらず、高用量は全身的な副作用を引き起こす可能性があります。
今回の研究では57人の患者を対象とした後ろ向き研究です。 高用量(> 5mg)の経口ミノキシジルの安全性と有効性のプロファイルを評価しました。

結果は、ほとんどの患者で毛髪密度が全体的に10~30%改善しました。
合計17.5%の患者で大幅な改善(> 50%)が見られ、改善率が10%未満も17.5%でした。

患者の4分の1(24.6%)で多毛症(17.5%)が認められました。
頻脈は3.5%で発生しました。

有望な治療オプションではありますが、経口ミノキシジルの高用量については、使用を最適化し、安全性と有効性のプロファイルをよりよく理解するために、さらなる研究が必要です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー 以下コメントです。

ミノキシジル内服に関しては世界中で発毛に関しては認められていません。 開発国のアメリカでも降圧剤としては選択肢は残っていますが、発毛の適応は取得できていません。
現在でもミノキシジルの薬理作用に関しては完全には解明されていないようです。

他の論文等で5mgの使用は男性で、2.5mgのミノキシジル内服は女性で。 というのが一般的な考えになってきているように感じます。 ミノキシジル内服は個人差がとても大きい、とある研究で記載がありました。

多毛はある程度やむをえない副作用です。 この副作用があるから発毛作用がある、と考えてもよいのかな?と自分は思います。 

今後さらなる研究を行うときには、自分的には「頻脈」に関して正確は研究をする必要があると思います。
動悸は本人が自覚していなければわかりません。 が、頻脈(特にミノキシジル内服する前との比較で)が生命予後にどのような影響を与えているのか? はある程度長期の経過観察が必要になると思います。 さらに人種や、年齢、性差なども関係する可能性もあります。

頻脈は長期に持続することは寿命に関係する可能性が高くなると自分は考えます。