(56) 未成年男性の薄毛

未成年の男性の薄毛診療・治療に関しては、成長過程という事を考慮した慎重な対応が必要です。

未成年の定義が完全に統一できていない部分もありますが、基本的に自立していない場合は20歳未満を未成年として、記載します。

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1. 未成年男性の薄毛の原因特定

未成年の薄毛は、成人のAGA（男性型脱毛症）とは異なる要因が多いため、原因をしっかり特定することが必要です。

• 遺伝的要因
  • 思春期以降に発症し、前頭部・頭頂部の毛量が減少するケース
  • 10代後半で初期のAGAが見られる場合は、家族歴を確認
  • 元々毛の数がすくない場合があります（遺伝的が多い印象）
• 円形脱毛症
  • 自己免疫疾患による脱毛症で全体に起こる事があり、薄毛に見える事があるようです。
    必ずしも円形とはかぎりません。
• 脂漏性皮膚炎
  • 頭皮の炎症が原因で抜け毛が増加
  • フケやかゆみが伴う場合は、皮膚科的な治療を優先
  • 「すすぎ」をしっかりと

• 栄養不足・ダイエット
  • 亜鉛・ビタミン不足によるびまん性脱毛
  • 食生活やサプリメント指導が重要
  • 適切なサプリメントは少ない、選択に注意が必要です。★

• ストレスや精神的要因
  • 受験・家庭環境・対人関係のストレスによる脱毛（抜毛症など）
• ホルモンバランスの変化
  • 思春期のホルモン変動による一時的な脱毛

→ 必要に応じて血液検査・ホルモン検査・頭皮の状態確認を実施
頭皮は専門のスコープを使用しないとわからない事もあります

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2. 治療の選択肢

未成年者には安全性を第一に考慮し、適切な治療を選択する必要があります。

① 生活習慣・栄養指導

• 栄養バランスを改善（タンパク質・亜鉛・ビタミンB群・C・鉄を意識）
• 睡眠の質を向上（成長ホルモンの分泌を促す）
• 過度なヘアスタイリングの制限（ワックス・ヘアアイロンなどの使用に注意）
• 可能な範囲でストレスを発散

② 頭皮ケア・外用療法

• 低刺激シャンプー（皮脂バランスを整える）
• 育毛剤（ミノキシジル外用）
  • ２０歳未満は原則使用不可（国内製は未承認）
• 円形脱毛症の場合
  • 専門医と相談

③ メソセラピー（頭皮注射）

• 未成年への適用は慎重に判断
• 安全性の高い成分（上質な幹細胞上清液）を選択
• AGAでなく栄養不足などが原因の場合、成長因子の補充が有効なことも

④ 内服治療（慎重な判断が必要）

• ミノキシジル内服：未成年は推奨されない
• フィナステリド（プロペシア）・・・20歳未満は適用外

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3. 診療時の注意点

✅ 親権者の同意を必ず確認（未成年の治療は同意が必須）
✅ 心理的ケアも重視（薄毛による自己肯定感の低下に配慮）
✅ 長期的なフォローアップ（急激な治療ではなく、経過観察しながら慎重に）
✅ 無理な治療はしない（未成年の発育を考慮し、慎重なアプローチを）

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ご心配な方は専門施設の受診をご検討ください。

★当院では上記以外の選択肢として 近赤外光 と 高濃度エクソソーム含有の外用液の選択肢があります。　

近赤外光は副作用は普通おこりえません。　血流改善、抗酸化、薬液浸透アップ 等の効果が見込めます。

安全性を第一に考えつつ、患者様本人の意向もふまえて対応いたします。