https://www.jaad.org/article/S0190-9622(25)00126-4/abstract ・・・参考にした論文が左記のリンク先です。

グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)の普及により、髪に対する影響が心配されています。   

ある説では、GLP-1RAは正常な毛包周期を乱し、休止期脱毛症(TE)や男性型脱毛症(AGA)などの症状を引き起こす可能性があると示唆されています。

別の説では、GLP-1RAはインスリン感受性を改善し、頭皮の血流を促進することで効果をもたらす可能性があるとされています。

臨床的証拠は乏しいですが・・・

2022年から2023年までの食品医薬品局の有害事象報告システムの分析では、
セマグルチドとチルゼパチドで脱毛症の報告オッズが増加したというデータです。

GLP-1RA が髪に及ぼす潜在的な影響をより深く理解するため、より厳密な臨床研究が必要と、まとめられています。

セマグルチド:  注射薬(オゼンピック、ウゴービ)と 経口薬(リベルサス)があり、
主な副作用には吐き気や下痢、便秘など胃腸の不調

チルゼパチド:  2型糖尿病治療薬「マンジャロ®皮下注」として販売
体重減少効果にも優り日本でも肥満症治療薬として承認、2025年4月から「ゼップバウンド®」も販売
週1回の皮下注射で、血糖コントロールと体重減少の両方で優れた効果が期待される薬剤です。

しかし
リラグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リキシセナチドでは有意な増加は認められなかったようです。

種類によって反応が違う可能性がデータ的には示されています。

今後の症例の集約が必要になります。 

上記の記載では問題なくても今後、脱毛が発生する場合があります。 
症例が少ない場合は確率的な問題で発生していない場合もあります。 

安易に大丈夫と判断せず、ダイエットの薬はいろいろな問題が起こりえる(起こる事がある)と考えていた方がよいです。 よくわからない場合は専門家の意見を聞き、判断をした方が良いと考えます。

特に長期に有効な薬剤は栄養的摂取不足の問題が起きやすい可能性がたかく、注意が必要です。