https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39177365 の文献のまとめと院長・木藤のコメントです。

はじめに:髪毛の脱毛は女性の外見と精神的健康に深く影響します。多血小板血漿 (PRP) 療法は、治療手段の少ない「女性脱毛の治療法」として注目を集めています。 この系統的レビューとメタ分析は、いろいろな女性の脱毛の治療における PRP の有効性と安全性を評価することが目的です。

方法: 2000 年 1 月から 2024 年 5 月まで、PubMed、Cochrane Library等から、包括的な検索を実施。 焦点は、女性のさまざまなタイプの脱毛に対する PRP 治療を調査するランダム化比較試験でした。

結果: 628 名の参加者を含む合計 21 件の研究が分析に含まれました。

PRP 治療により、毛髪の密度と太さが大幅に改善されました。
さらに、PRP グループでは抜毛数が大幅に減少しました。
副作用は一般に軽度、一時的であり、PRP グループとコントロール グループの間で痛みや不快感に顕著な差はありませんでした (リスク比: 1.01、95% CI: 0.87-1.18)。

結論: PRP 療法は、脱毛症の女性の毛髪密度と太さを効果的に高め、安全性プロファイルも良好です。

ただし、PRP が毛髪密度と太さに与える影響は、投与量、注入期間、民族によって異なるため、カスタマイズされた治療プロトコルが必要であることがわかります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー 以上が文献のまとめです。
以下は文献も含めて女性脱毛症のPRP治療に関するコメントです。

PAP療法は男女ともに有効な治療法です。 また女性の薄毛に関しては数少ない有効な治療手段となります。

最後の文章で治療プロトコルが必要です・・・とあります。 その通りなのですが・・・PRPは認可された作成器でしか治療が行えないのです。 そして機器それぞれの特徴があります。 大きくはシングルスピン・ダブルスピンという分類。 遠心機を使用する回数が1回なのか、2回なのかで血小板の濃度が違います。 2回使用した方が血小板の濃度は濃い場合が多いです。 

また清潔操作が必要なのですが、操作の仕方が決められています。 基本的には変更は認められていません。
機種はいろいろ認められています。 そうすると機種がいろいろあると操作方法が当然違うので血小板の出来上がり方が違います。 さらに個々のもともとの血小板数は当然違いますので出来上がった多血小板血漿の血小板数も違います。 ・・・比較すること自体が無意味になるくらい複雑で同一基準にありません。

ですので多血小板血漿の作成方法が統一されない限り、プロトコル(基準)は決められないのでは? と思います。