CQ1 ステロイド局所注射療法は有用か
院長・木藤のコメントは■と■の間に記載しています。
トリアムシノロンアセトニド10 mg/mL局注群は0.1%ベタメタゾンクリーム外用群に比較し脱毛範囲が縮小することが示唆されている。■トリアムシノロンアセトニド10mg/mL 皮内用 というのは原液の濃さだと思います。ステロイドの局注はかなり有効だと認識されていますが、円形脱毛症が完治する病態ではないので反復する事を考えて、薄目のステロイド局注を行い、効果不十分な時にステロイドを濃くしていく・・・というのが基本的な方針だと理解しています。 原液の皮内用ステロイドの局注はステロイドの塗り薬より有効だというのはある意味、当然といってはいけませんが納得のいく結果です。■
円形脱毛症(AA)の脱毛斑が2個以下で行ったランダム化比較試験より、トリアムシノロンアセトニド10 mg/mL局注群は0.1%ベタメタゾン吉草酸フォーム外用群,0.1%タクロリムス軟膏外用群に比較し脱毛範囲が縮小させる可能性を示す根拠が見いだされている。
ステロイドを局注した部位は、プラセボと比較して発毛の評価指標が改善することが示唆されている。
効果が確認されたのは主に脱毛斑が少数である限局型で、多発型や全頭型は効果が不十分であった。
ステロイド局注の発毛効果に関する根拠があり,S1以下成人症例に推奨する.しかし,有害事象として局注部位の皮膚萎縮や疼痛、出血が報告されており十分な注意が必要である.さらに長期投与した場合には骨粗鬆症、緑内障等の副作用に留意する必要がある.■ステロイドの長期使用に関する注意点になります。ステロイドの局注は経験的にはかなり長く効いている印象があります。 喘息にも使用するのですが、1ヶ月位は喘息には有効な場合が多かった・・・という印象があります■
ステロイド局注療法の実際 トリアムシノロンアセトニド(ケナコルトA水懸注皮内用Ⓡ:10 mg/mL)を生理食塩水で調整し、1回の診療において総投与量10 mgを限度の目安とする.
・1カ所につき20~50 μLを約5~7 mm間隔で真皮下層レベルをめがけ局所注射する.
■麻酔をあまりしないのか?局注の痛みはかなり・・・と実際の患者様からのお話と時折効きます。 痛みに関しては個人差がとても大きく、デリケートな方はとくに敏感だと思います。■ 注射時の疼痛が強い症例には適宜その疼痛の抑制に努める.■と記載があるのですが・・・疼痛の抑制に実際になにがあるのか? というと局所麻酔剤の塗り薬?が現実的でしょうか? ただし保険で行おうとするとこれは時間、その他の問題が絡みかなり手間のかかる処置となるようです。 皮膚科の医師でも多くの施設ではされていない印象です(病院でなく、クリニックレベルの場合です。かななか大変だと医師からのお話で伺います■
投与間隔は4~6週に1回が推奨される.■この間隔も保険的にはいろいろ制約がある印章です。 月に2回処置した方が病変的には改善が見込めるのかもしれませんが、月2回のステロイド局注処置は保険が適応されない地域が多いのかも??です■
・局所注射部位のステロイドによる皮膚萎縮に注意が必要である.■この皮膚委縮も反復処置が必要な場合に発生しやすくなっているのだろうと予想されます■
・眉毛に局注する場合には必要に応じて眼科受診を勧める.■緑内障の発生が絡むので眼科的検診が必要となします■
ステロイド局注の希釈濃度に対する発毛効果に関する報告を簡単にまとめるとトリアムシノロンアセトニドにおいて2.5 mg/mLもしくは5 mg/mL局注は10 mg/mL局注と比較し,治療効果,再発率は同等。 一方副作用である皮膚萎縮や血管拡張は10 mg/mL局注の方が多いことを示唆する根拠がある・・・となっています。■ガイドラインの最後あたりに出てくるPRP療法とよく比較されて海外では報告が多いのですが、トリアムシノロンアセトニドは10mg/mL が一番強力だと多くの論文には記載があります。基本的にはステロイド局注に使用するトリアムシノロンアセトニドの治療濃度は2.5 mg/mLより開始し,治療効果に応じ5 mg/mL,10 mg/mLにステップアップして投与することを提案されていますが、現実的には5mg/mLから開始して効果不十分の場合には10mg/mLに増量を検討するのが現実的選択の印象をたくさんの文献から感じました■