有名な脱毛予防剤・5α還元阻害剤です。 昔はプロペシア™ が先発品名でした。
当院の初めの方針ではメソセラピー後の脱毛予防の治療が必要な方に処方予定でした。 しかし軽症の場合にはフィナステリドの処方だけ、という患者様がおられます。
そのため当院でもフィナステリド・デュタステリドを取り扱う事になりました。 薬だけの処方ではなく管理をしっかり行うのと、いろいろな副作用についての情報の問い合わせ等をメールで受け付ける事にします。
以下知っておいた方が良い情報を記載します。
理論的なお話はどこでも記載がありますので省きます。
まず、重要な事から。このページではフィナステリドの事を中心に記載します。
■1 多くの方は薬代が安い方がよいので、海外からの個人輸入の会社から購入する方が多いです。 中身、その後のフォロー等が同じなら安い方が良いのは当然です。 自分も同じ考えです。
■2 多くの方は正確な情報をご存じないです。 AGA等を専門に扱っている医師には当然でも、普通の保険医療をしている医師にとってもは情報があまりなく、情報の非対称がおこります(知っている人と知らない人の差が大きい)。
■3 一番重要な事はまず、国の認可のない海外の薬で副作用等が発生した場合、副作用等の治療には公的保険は建前上使用できません。 つまり副作用の治療も自費診療になります。ご存じないでしょうが、かなりの高額になります。かりに入院が必要な場合は高額になる可能性が高いです。
■4 実際に発生する頻度はかなり少ないと思います。 でも実際には軽い異常は結構起こります。
そしてその特徴はたくさんみてくると大体予想できます。以下の方はすくなくとも定期的(半年に一回)に採血した方がよい場合が多いです。
・もともと慢性の肝障害がある方(おそらく定期的にクリニック・病院で経過観察中かと思います)
・体重が明らかに増えていっている方(医学的にはおそらく脂肪肝があって肝障害が出現しやすい)
・胆石がある方。この場合は薬の為かどうか、わかりにくいので、担当医に相談してください。
■5 流れ作業的に処方がだされている場合に数値は相当に悪くならない限り脱毛予防の薬の中止をしていない場合を経験的には見てきました。たしかに大きな問題にはならない場合が多いようですが、あまり繰り返していくと最悪としては肝ガンの発生頻度は上昇すると予想されます(一応消化器病専門医)。そのお話は聞いた上で納得されている場合にはよろしいのかと、思いますが。 そのお話までは聞いていないのでは? リスクを確認しての使用をおすすめします。
■6 フィナステリドは経皮吸収される薬です。 妊娠可能な夫人、女性、女の子には触らせないようにしましよう。
・これは妊娠時のお子さんが男性の場合が問題です。(初めは男性・女性が不明ですから気を付けるしかないです。さらに妊娠がはっきりした時はすでに2か月になっていますので一番奇形が起こる場合に問題になる時期です)
・フィナステリドを使用していると分かりやすく言うと男性ホルモンが抑制されている状態です。 つまり本来なら大きくならないといけない男性器がお大きくならない、という点です。 さらに動物実験からすると尿道下裂という奇形も発生する可能性があります。
■7 妊活中だった場合の件です。
データ的には精子の問題はかなり少ないです。 そのため会社は妊活中にフィナステリドを控える必要がある、とは言われていないようです。(ようです、と記載したのは販売会社が急に意見を変える場合があるため) ですが、個人的意見では妊娠でお子さんには1~2%弱の奇形は発生します。 そのため生まれた胎児に奇形があった時の母体の精神的影響を考えて妊活中はフィナステリドを控えた方が良いと自分は考えます。